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鬼月にご注意


コラム 台湾事情 作成日:2006年8月8日

台湾ビジネス情報局 台湾情報

鬼月にご注意

記事番号:T00000019

 
● 鬼月とは?

台湾では旧暦の7月を「鬼月」(台湾では「鬼」は「霊」に近い意味)と呼んでいます。

「鬼月」は祖先がこの世に戻ってくる為、祖先にごちそうを用意して迎えます。

祖先だけがこの世に戻ってくるのなら構わないのですが、「鬼月」は地獄の全ての門が開きますので、悪い霊もご先祖様と一緒にこの世に戻って来るのです。

悪い霊というのは「自殺者の霊」や「無縁仏」、「無念な死を遂げた霊」等です。

台湾の霊界のシステムとして、身代わりの生け贄(生きた人間)を見つければ、自分は人間に生まれ変わる事ができます。

そこで悪い霊達は自分が生まれ変わる為に、人間を霊界に連れ込もうと、いろいろと悪さをするのです。

ですから、鬼月の間は「水の中に入ってはいけない」「夜、洗濯物を外に干していてはいけない」と言われています。

●事例:会社思いの幹部

日本人総経理「今年は事業拡大の為に、8月、9月で大量出店をしてゆこう」

台湾人幹部A「準備が遅れているので、もう少し遅くしては如何でしょう?」

日本人総経理「何を言っているのだ、8月、9月に出店しなければ今年の業績は達成できないのだぞ!」

台湾人幹部B「8月、9月は鬼月なので…」


● 解説

今年は30数年ぶりに、旧暦の7月は「閏月」として2回になりますので、「鬼月」も7月25日~9月21日まで約2ヶ月続く事になります。

鬼月の間は「諸事不宜」(自分でコントロールできる全ての事はやらない方が良い)と言われています。

そこで鬼月には「家や車を買う」「引っ越しをする」「結婚をする」「事業を始める」等の新しい事はやらない様にしています。

では事例の場合では、どうしたら良いのでしょう。

実は台湾人の知恵なのですが、鬼月の間は事業を始めていても「試賣(プレオープン)」として、鬼月が終わってから正式な営業を始める事にすれば問題無いようです。

ところで、鬼月にしていけない事の中に「火葬や埋葬をする」も含まれていますので、暑い夏に死体を2ヶ月間も何処に安置するのかを考えると…
 
ワイズコンサルティング 吉本康志

台湾ビジネス情報局台湾情報

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