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タッチパネル、供給不足7割も


ニュース 電子 作成日:2012年10月26日_記事番号:T00040144

タッチパネル、供給不足7割も

  タッチパネルを用いた操作に最適化されたマイクロソフト(MS)新OS(基本ソフト)、Windows8(ウィンドウズ8)の26日発売で、タッチ機能搭載製品が従来のスマートフォン、タブレット型パソコンからノートPC、オールインワン(モニター一体型、AIO)PCにまで広がった。一方、タッチパネルは歩留まり率が依然向上せず、PCブランドが60万枚発注してもタッチパネルメーカーが10万枚しか納品できないなど、7割以上の供給不足に陥っているようだ。26日付電子時報が報じた。


タッチ機能搭載ノートPCに対する消費者の反応は未知数だが、エイサー、華碩電脳(ASUS)、ヒューレット・パッカード(HP)、聯想集団(レノボ)、ソニーがそろって製品ラインナップに全面導入する(中央社)

 ウィンドウズ8の登場で、タッチ機能搭載製品のディスプレイサイズは11〜27インチまで拡大した。宏碁(エイサー)の王振堂董事長は、PC史上30年で最大の変化がもたらされたと表現した。エイサーはノートPCの第4四半期出荷のうち、タッチ機能搭載機種が5〜8%を占める見通しだ。来年は市場調査機関IDCが同15%を予測しているが、翁建仁エイサー世界総裁は、ウィンドウズ8効果で同20〜30%まで高まるとみており、需要は問題なく供給不足が最大の懸念事項だと指摘した。

 タッチパネルメーカーにとって、中大型製品の量産は初めての経験で、歩留まり率低迷に加え、ブランド各社の同時発注で受注をさばき切れない状況だ。受託生産大手、仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)の陳瑞聡総経理は先日、全ブランドの出荷が9〜10月に集中したと指摘している。

サムスン・アップルが買い占め

 さらにタッチパネルの薄膜材料も需給が逼迫(ひっぱく)している。背景には、日本触媒の姫路製造所(兵庫県姫路市)の9月末の爆発事故を受け、サムスン電子が日東電工に必要量の2倍を発注し、納品を迫ったことがある。業界では、薄膜材料を買い占めてライバルをけ落とす意図があるとみられている。また、アップルが23日に発表した7.9インチのタブレットPC「iPad mini」が薄膜技術を採用していることが、供給不足に追い打ちをかけた。

 台湾のタッチパネルメーカーは、iPad miniの販売台数が現段階の予測値である800万〜1,000万台を上回るようならば、薄膜材料の需給逼迫は来年まで続くとみている。

 最も深刻な打撃を受けているのは中国の低価格スマートフォンメーカーで、薄膜材料の供給不足は3割に上り、台湾や韓国で代替の調達先を模索している。