ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム 会社概要 採用情報 お問い合わせ

コンサルティング リサーチ セミナー 在台日本人にPR 経済ニュース 労務顧問会員

すき家台湾1号店オープン、吉野家の独占打破へ


ニュース 商業・サービス 作成日:2014年7月3日_記事番号:T00051325

すき家台湾1号店オープン、吉野家の独占打破へ

 日本の牛丼最大手ブランド「すき家」(ゼンショーホールディングス)が3日、台湾1号店を台北都市交通システム(MRT)新店線古亭駅7番出口前にプレオープンした。牛丼(単品・中盛)1杯69台湾元(約230円)と、台湾進出26年の吉野家の95元を27%も下回る低価格戦略で、日本同様の味にこだわり、10年で100店舗展開を目指す。3日付工商時報などが報じた。


すき家は中国では「食其家」というブランドで展開しているが、台湾では日本と同じロゴマークだ(YSN撮影)

 1号店は周辺のサラリーパーソンや、台湾大学、台湾師範大学の学生をターゲットにする。座席数は32席。3日午前9時のオープン時には20人が列を作った。プレオープン期間は6日までで、10日の正式オープン以降は24時間営業となる。今後、2~3年で台湾全土に20店舗、5年で50店舗、10年で100店舗の出店を目指しており、西川洋司董事長兼総経理は、将来的にはMRT各駅周辺にはどこでもすき家があるようにしたいと語った。3年後の黒字化を目指す。ゼンショーホールディングスはすき家の他、計20の飲食ブランドを擁しており、今後うどんや回転ずしなど他のブランドの進出も視野に入れる。

 ワイズニュースの取材に対し西川董事長は、「先輩である吉野家を追い越したい」と述べた。西川董事長の分析によると吉野家は味付けを日本と少し変えているが、すき家は日本同様の味付けにこだわると強調した。西川董事長は米のソムリエ「米・食味鑑定士」の資格を有しており、この1年、日本のコシヒカリと同じ食感の台湾産のコメを探し続け、異なる品種を混ぜ合わせることで香り高くモチモチ感を持ったご飯作りに成功したと述べ、日本同様の味に自信を見せた。


牛丼と空芯菜セット。牛肉が苦手な人には鶏肉の照り焼き丼(中碗・89元)もある(YSN撮影)

 メニューは、メインの牛丼の他、日本で女性に人気の「とろ~り3種のチーズ牛丼」(中盛99元)や男性に人気のキムチ牛丼(同99元)などもそろえた。日本同様、女性やカロリーを気にする人向けのミニサイズもほとんどの商品で提供している。セットメニュー(25~50元追加)はみそ汁と小鉢が付く。小鉢は漬物の他、台湾オリジナルの空芯菜炒めが特徴だ。牛丼以外にカレーメニューも提供する。価格設定は日本より低くしたが、台湾の物価水準を考えるとまだ決して安くはないと西川董事長は強調した。

 ゼンショーホールディングスの台湾子会社「台湾善商」は、昨年4月に1億元を投じて設立した。新北市の五股工業園区にセントラルキッチン(100坪)も設けた。

吉野家は48店展開

 一方、台湾市場をリードする吉野家は現在48店を展開。年間売上高は6億~7億元だ。すき家進出に対し同社は、「以前より耳にしていたが、特に対策は計画しておらず、平常心で見守るだけ」と静観の構えだ。

 なお、すき家は日本で1,995店舗(6月末時点)を展開している他、▽中国(69店舗)▽タイ(10店舗)▽ブラジル(9店舗)▽マレーシア(4店舗)▽メキシコ(3店舗)──に出店している。8月にはインドネシアに進出する予定だ。