ニュース 電子 作成日:2014年7月17日_記事番号:T00051609
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の張忠謀(モリス・チャン)董事長は16日の業績説明会で、TSMCが16ナノメートル製造プロセス、サムスン電子が14ナノで争う次世代プロセスの競争の見通しについて、「来年の市場シェアはライバル(サムスン)に負けるが、2016年には業界トップに返り咲く」と強調した。大口顧客のクアルコムの受注の一部をサムスンに奪われたため来年はシェアが低下するものの、クアルコムの主要製品は依然TSMCが押さえており、再逆転に十分な自信を抱いている。17日付経済日報などが報じた。
張董事長は、16・20ナノが今後3年の業績をけん引すると語った(16日=中央社)
張董事長は現状について、20ナノでサムスンをリードした分、次世代プロセスで遅れを取った感は否めないと認めたものの、同社が推進する16ナノ立体構造トランジスタ(FinFET)プラスは処理速度、密度、低消費電力でサムスンの14ナノを上回っていると説明。量産時期は来年第3四半期で、第4四半期の段階では売上構成比はまだ1桁との見通しを示した。
クアルコム受注を奪い合う
TSMCが来年次世代プロセスでサムスンにリードを許すことについて半導体アナリストは、サムスンがグローバルファウンドリーズ(GF)と14ナノFinFETプロセスで提携し、アップルから受注を獲得したとされること、クアルコムがTSMCへの一部発注をサムスンの14ナノに振り換えたことの2つの要因を挙げた。クアルコムとの提携については現在2つの案件があるとされる。量産時期はどちらも来年下半期の見通しだ。ある証券会社は、サムスンがクアルコムの受注を獲得できたのは、フォトマスク費用(1年半分)と委託設計費、テープアウト(設計完了)費用を免除し、TSMCより早く生産できるとうたったことが実を結んだとの見解を示した。
一方、張董事長が先端プロセスの決戦ととらえる次々世代の10ナノについては、来年下半期にテープアウトする予定だ。何麗梅財務長は、現在10ナノの開発に全力を尽くしており、8時間交代による研究開発(R&D)の24時間体制も整えたと説明した。これを受けて、R&D費用の売上高に対する割合が今年7.3%、来年は8%へと従来の6%から拡大する見通しだ。
Q2売上高、過去最高
TSMCの第2四半期の連結売上高は前期比23.5%増、前年同期比17.4%増の1,830億2,100万台湾元(約6,200億円)、純利益は前期比24.7%増、前年同期比15.2%増の597億元となった。1株当たり利益(EPS)は2.3元とそれぞれ四半期ベースで過去最高を更新した。粗利益率は49.8%、28ナノの売上高構成比は37%だった。
下半期の見通しについて張董事長は、第4世代移動通信(4G)サービス市場の盛り上がりを受けて28、20ナノの需要が旺盛なため、第3、第4四半期の売上高は過去最高を塗り替えると説明。20ナノの売上構成比は、第3四半期に10%、第4四半期に20%まで上昇すると予測した。同社は第3四半期の連結売上高は前期比12.6~14.2%増の2,060億~2,090億元と予想している。
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