ニュース 電子 作成日:2014年7月21日_記事番号:T00051665
ファウンドリー大手、聯華電子(UMC)は、このほどウエハーベースの月間受託量が5,000枚を下回るIC設計などの顧客に対し、5〜15%の値上げを行ったとの業界観測が出ている。受注が満杯となっていることを受けての措置で、大手顧客に対しても最大5%引きを取りやめ、実質的な値上げを図ったという。21日付工商時報が報じた。
また、大手顧客に対しては、3カ月分程度の発注を確定させることも求めたというが、これらについてUMCは「ノーコメント」としている。
UMCの値上げ観測の背景には、業界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が中部科学工業園区(中科)の12インチウエハー工場「Fab15」で28ナノメートル製造プロセスから20ナノへの移行を行って28ナノの生産能力が減少したこと、およびUMCが28ナノ高誘電率膜・金属ゲート(HKMG)プロセスの良品率が向上したことがある。UMCは28ナノの急速な良品率向上によって携帯電話チップサプライヤーのクアルコムや聯発科技(メディアテック)の追加受注も得ており、TSMCの28ナノシェアを侵蝕し始めてさえいる。
なお、UMC第3四半期BBレシオ(出荷受注比率)は1.2で、生産能力の2割を超える受注を得ている計算だ。受注見通しは第4四半期半ばまで立っている。
Q3受注、生産能力2割超え
UMCの値上げに対し、IC設計メーカーなどの顧客は発注を業界他社に振り分けたい意向だが、中国・中芯国際集成電路製造(SMIC)、グローバルファウンドリーズ(GF)、世界先進積体電路(VIS)なども受注が好調で、対応できる余力は乏しい。サムスン電子だけは生産能力が余っているが、半導体メーカーの多くはライバルでもあるサムスンへの発注は控えたい考えのため、UMCの値上げを受け入れざるを得ない状況だという。IC設計メーカーは、値上げ分を価格に反映できなければ業績への悪影響が予想される。
ファウンドリー、下半期好調続く
今年下半期は、半導体需要を支えるスマートフォンとパソコンのうち、スマホ市場ではアップルの次世代スマホ「iPhone6」が発売される予定の他、新興市場で第4世代移動通信(4G)移行によるロー~ミドルエンド機種の需要が伸びるため、ハイエンド機種は成長が鈍化するものの、市場全体で出荷台数は過去最高が予想されている。一方、PC市場はマイクロソフト(MS)のウィンドウズXPのサポート終了で企業の買い替えが進むことや、インテルのプロセッサー出荷が第2四半期に過去最高だったことから、受託生産メーカーも下半期を好感しており、ファウンドリー業界にとって好材料となっている。
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