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4G早くも価格競争、台湾スターがサービス開始


ニュース 電子 作成日:2014年8月25日_記事番号:T00052318

4G早くも価格競争、台湾スターがサービス開始

 新興通信キャリア、台湾之星移動電信(台湾スターテレコム)がきょう25日から第4世代移動通信(4G)サービスを開始したことを受けて、既存の大手通信キャリア3社は早ければ今週中にも通信プランの値下げで対抗する方針だ。台湾で4Gサービスが始まって3カ月、会員獲得競争はさらに激しさを増す見通しで、ユーザーにとっては選択肢が広がりそうだ。25日付工商時報などが報じた。


台湾スターは試験期間中、速度、安定性で9割近いユーザーから高い満足度を得た(中央社)

 台湾スターは、今月中旬からサービス開始前の試験期間として1カ月(31日間)の無料体験キャンペーンを実施。予測を上回る7万件の申し込みがあり、満を持して正式にサービスを開始する運びとなった。サービス開始記念として発表した599台湾元(約2,000円)プランは、契約期間中(24カ月)であればデータ通信量の制限を超えても速度が落ちることなく使い放題となるプランとしては業界最安値で、4G市場シェア20%獲得を目指す。申し込みは10月31日まで。

 一方、既存通信キャリア各社の通信プランは現在、▽中華電信、月額236~2,636元▽台湾大哥大(台湾モバイル)、同599~2,599元▽遠伝電信(ファーイーストーン・テレコミュニケーションズ)、同599~2,699元──と大差はなく、各社は1,100~1,300元台のプランを主戦場とみているようだ。

iPhone5sユーザー囲い込み

 サービス開始で先陣を切った中華電信は市場シェア40%を目標に 掲げているが、7月末時点の4Gユーザー数は、中華電信と遠伝電信がそれぞれ15万件、台湾大哥大は14万件余りと3社互角の状況となっている。同社はこのため、台湾スターの参入を機に、通信プランを値下げして2社を引き離したい考えのようだ。

 中華電信は現在、同社ユーザー間の通話料金が全て無料となる4Gプランは最高額の2,636元プランのみとなっているが、今後1,000元台のプランでも時間制限を撤廃する見通しだ。また、アップルのiPhone5s(16GB)購入プラン(契約30カ月以上、申し込み締め切りは9月30日)ではこのほど、データ通信量の上限を2倍とし、月額1,736元、2,636元プランでは本体価格を無料とするなど値下げに踏み切った。iPhone5sユーザーは100万件に上るが、4G対応の周波数帯は1,800メガヘルツ(MHz)のため、同周波帯をまだ開放していない遠伝、台湾大哥大ユーザーは4Gを利用できない。このため、中華電信は2社が1,800MHzを開放する前に、値下げプランによってiPhone5sユーザーを囲い込む狙いだ。

新規参入組に期待

 一方、遠伝、台湾大哥大も、専用プランへの申し込みで4G対応機種の本体価格を無料としている他、9月1日より通信プランの値下げに追随するとみられている。

 台湾スターの他、年末までには鴻海科技集団(フォックスコン)傘下の通信キャリア、国碁電子(アンビット・マイクロシステムズ)も新規参入を果たす見通しで、郭台銘(テリー・ゴウ)・鴻海董事長は以前、データ量が少ない通話やショートメッセージサービス(SMS)を無料にすると宣言している。新規参入組のアイデアがどのようなメリットをユーザーにもたらすか注目される。