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タッチパネル生産コスト3割削減、工研院・小森が新技術


ニュース 電子 作成日:2014年8月27日_記事番号:T00052371

タッチパネル生産コスト3割削減、工研院・小森が新技術

 中大型タッチパネルの生産で、高コストのフォトリソグラフィ工程に取って代わり全体の生産コストを約3割削減できる画期的な印刷技術が、工業技術研究院(工研院、ITRI)とオフセット印刷大手の小森コーポレーション(東京都墨田区)によって開発された。群創光電(イノラックス)、友達光電(AUO)をはじめとした台湾パネルメーカーが調達に関心を示しており、韓国や中国の同業をリードするための武器として期待されている。27日付中国時報などが報じた。


メタルメッシュを印刷したフレシキブルガラス基板は透明度が高く、反応速度も速い(工研院リリースより)

 新技術「ワンステップ量産型ロール・ツー・ロールメタルメッシュ」は、タッチパネルのフィルム上に、ナロウベゼルを実現する引出配線(30マイクロメートル)と大面積パネルへの対応を可能にするメタルメッシュ(最小線幅5マイクロメートル)を、1回のグラビアオフセット方式によって印刷することを可能にしたもの。大面積タッチパネルへの応用は、従来のITO(酸化インジウムスズ)薄膜では困難だった。今回タブレット端末での用途を想定して、11.6インチのタッチパネルを試作し発表した。

 劉軍廷工研院所長は、現在スマートフォンやタブレット端末ではITO薄膜が使われているものの、高コストや回収困難などの問題があると指摘。開発した新技術でITOに代替でき、パターンのスパッタリング、塗布、露光、印刷、エッジングなど設備7台によるフォトリソグラフィ工程をわずか1台で行うことを可能にすると説明した。これにより設計で65%、製造プロセスで55%、材料25%と、合計で約3割のコスト削減に貢献するという。車載用、家電用、照明、眼鏡、バイオテクノロジーなどの分野のタッチパネルへの応用が期待されている。

タッチパネル展で展示

 劉所長は、同技術は台湾タッチパネルメーカーがリードを保つ鍵になるとして、小森コーポレーションが台湾サプライチェーンへの導入を進めると話した。イノラックス、AUOの他、宸鴻集団(TPKホールディング)、介面光電(Jタッチ)も導入に関心を示しているという。

 小森は27日から29日まで、同技術を台北世界貿易センター南港展覧館で開幕した「国際タッチパネル・光学フィルム展示会(Touch Taiwan 2014)」のK928ブースで展示している。