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半導体12インチ工場、一部で需給緩和


ニュース 電子 作成日:2014年8月28日_記事番号:T00052399

半導体12インチ工場、一部で需給緩和

 半導体業界の観測によると、一部顧客が12インチウエハー工場へのウエハー投入枚数を下方修正した。顧客の多くがアップルの次世代スマートフォン「iPhone6」発売後の自社製品の売れ行きを懸念しているためで、特に中堅ファウンドリーが打撃を受けている。一方、8インチ工場はウエアラブル(装着型)端末やモノのインターネット(IoT)など最先端分野のチップ生産で、年内フル稼働の見通しだ。28日付電子時報が報じた。

 業界関係者によると、アップルを顧客としているか否かで受注に大差がついており、アップル以外に供給する半導体メーカーは模様眺めムードになっている。一方、アップル関連の半導体サプライチェーンは、iPhone6発売までに在庫を間に合わせるため、残業で生産を急いでいる。

 ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は初めてサムスン電子を下して「iPhone6」のプロセッサー「A8」を受注した。12インチ工場の20ナノメートル製造プロセスで年内に6万~7万枚の生産が見込まれる。「A8」受注が業績を力強くけん引し、第4四半期まで成長が続く見通しだ。

8インチ工場、さらに逼迫

 一方、TSMCが指紋認証ICを生産する8インチ工場では、iPhoneやiPad向けの強い需要によって、生産できない他社製品が出るほどだ。もともと受注満杯だったが、さらに生産能力が逼迫(ひっぱく)している。

 TSMCの他、聯華電子(UMC)、中芯国際集成電路製造(SMIC)、グローバルファウンドリーズ(GF)、世界先進積体電路(VIS、バンガード)も年末まで8インチ工場の受注が満杯だ。

 8インチ工場から12インチ工場に液晶ディスプレイ(LCD)用ドライバIC、パワーマネジメント(電源管理)IC(PMIC)などの生産が徐々に移行しているが、ウエアラブル端末やIoT、4K2K液晶パネルなど向けの応用チップは依然8インチ工場での生産が中心だ。

 業界関係者によると、8インチ工場は減価償却が終了しており、先進製造プロセスの投資も必要ないので、利益が出やすい。世界先進が7月に南亜科技子会社、勝普電子の8インチ工場を買収した他、オン・セミコンダクターは7月末に富士通セミコンダクターと8インチ工場のファウンドリー契約を締結し、生産能力を確保している。

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