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MRT松山線開通、週末62万人利用


ニュース 運輸 作成日:2014年11月17日_記事番号:T00053873

MRT松山線開通、週末62万人利用

 台北都市交通システム(MRT)松山線が15日開通し、悠遊カード(イージーカード)利用で1カ月間運賃が無料であることもあって週末2日間で延べ62万4,000人が利用した。南京東西路沿線の通勤、通学が便利になったのはもちろん、台北小巨蛋(台北アリーナ)、饒河街観光夜市(饒河夜市)など有名スポットへもアクセスしやすくなった。台北MRTの利用者数は現在の1日当たり約182万人から200万人の大台に乗る見通しだ。


MRT松山駅と台鉄松山駅の連絡通路天井に設置された芸術作品「城見」。5万250個のLED(発光ダイオード)電球が放つイルミネーションが楽しめる(16日=YSN)

 松山線は2006年に着工、直接工事費は375億台湾元(約1,400億円)に達した。松山駅から西門駅の8駅、8.5キロメートルを約15分で結ぶ、板南線、信義線に続く台北地区で3番目の東西方向の路線だ。松山駅は台湾鉄路(台鉄)松山駅とつながり、北門駅は15年末に開通予定の桃園国際空港MRT台北駅と110メートルの地下道で連絡する。台北市捷運工程局によると、台北駅への連絡通路にはムービングウオーク(動く歩道)を設ける計画だ。

 松山線開通によりMRT乗換駅に▽南京復興(南京東路から改称)▽松江南京▽中山──の3駅が加わるため、▽台北▽忠孝新生▽忠孝復興──など周辺の乗換駅の混雑緩和が期待できる。また、南京東西路のピーク時の渋滞緩和にも一役買いそうだ。

饒河夜市に驚きの人波

 約600メートルにわたって多彩な屋台が並ぶ饒河夜市。開通初日午後4時、人気店「福州世祖胡椒餅(胡椒入り豚饅頭)」の前には雨にもかかわらず長蛇の列ができていた。夜市は午後10時になっても客足が落ちず、家族で月1回は来るという40代の女性は「この時間帯にしてはすごい人の数だ」と驚いていた。売り上げが2〜3倍増えた店もあったようだ。


饒河夜市の入り口は人であふれ返った(16日=YSN)

 これまで饒河夜市にアクセスできる公共交通機関はバスか台鉄のみだったが、今やMRT松山駅5番出口を出たら目の前が入り口だ。商機を見越して台中市の夜市から早い段階で「陣取り」にきた屋台主もいるほどだ。

 饒河夜市の東側入り口には1753年建設の媽祖廟(びょう)「松山慈祐宮」、松山駅南側には台北最大の服飾問屋街、五分埔もある。松山駅周辺は松山線開通で今後さらに多くの観光客でにぎわいそうだ。

松江南京駅の「迷路」に注意

 松江南京駅は地下4階の深さを走る新荘線が島式プラットホーム、地下2階に通った松山線が相対式ホームのため、動線が複雑になり開通前から「迷路」と評判になった。


松江南京駅の迂回マーク。「ホーム直進後この先Uターン」の意味ではないため注意が必要だ(15日=YSN)

 松山線から新荘線に乗り換える場合はオレンジ色の案内標識に従い地下4階に下りればよいだけで分かりやすい。しかし、新荘線から松山線に乗り換える場合、行き先案内標識に付いている赤の通行禁止マークに注意する必要がある。松山行きに乗りたいのに間違って逆の新店方向のホームに出てしまうと、地下4階または改札口のある地下1階経由で迂回(うかい)しなければならない。階段での迂回は距離があるため、エレベーターを使うのがお勧めだ。

外国人旅行客も利用しやすく

 台北MRTは松山線開通を機に、▽文湖線(茶色)▽淡水・信義線(赤)▽松山・新店線(緑)▽中和・新荘蘆洲線(オレンジ)▽板南線(青)──の5路線に、それぞれに1〜5の路線番号が割り振られた。車内アナウンスや構内の案内標識に番号が加わるため、中国語が苦手な外国人も乗り換えが楽になり、新たな目印として定着していくことだろう。

(取材/ワイズニュース・冨永圭太)