ニュース その他製造 作成日:2014年12月16日_記事番号:T00054432
電源世界最大手の台達電子工業(デルタ・エレクトロニクス)は15日、欧州電源システム最大手のエルテックの全株式を買収すると発表した。買収額は39億ノルウェー・クローネ(約620億円)と、同社の海外企業買収額として過去数年で最大規模となる。来年中に手続きを完了する予定だ。デルタはエルテック買収で相互補完効果が見込めると判断。業界首位の座を固めて2位のエマソン・エレクトリックとの差を広げる見通しだ。16日付経済日報が報じた。
海董事長は、電源システムの売上構成比は現在5〜6%だが、来年は2桁台達成が見込めると語った(デルタ提供)
エルテックは1971年にノルウェーで設立され、通信電源システムを専門とする。世界60カ所以上に拠点を持つ。昨年の売上高は6億2,000万米ドル、純利益は約5,000万米ドルだった。
デルタは100%子会社のデルトロニクス(オランダ)B.V.を通じてエルテックの全株式約3億3,000万株を買収する。1株当たりの取得額は11.75ノルウェー・クローネで、12日終値で計算すると買収プレミアムは約20.3%。デルタはエルテック株を計76.6%保有する3大株主と株式譲渡契約を交わしており、残り23.4%は公開取引で取得する計画だ。買収手続き完了後、エルテックはデルタの完全孫会社となるが、エルテックブランドは残る。
海英俊デルタ董事長は、エルテックとは研究開発(R&D)リソース、販路、顧客などで重複がなく、相互補完効果が期待できると指摘。また、共同調達・生産を行うことでコスト低減にも取り組め、デルタの電源事業は今後さらに拡大すると語った。
海董事長はまた、特に電源システムの分野での顧客網の相互補完効果を見込んでいると説明。デルタは英ボーダフォンを、エルテックはその他英国、米国の通信キャリアを顧客に抱えている。デルタは電源システム市場でも世界最大手となる見通しだ。
鄭平デルタ執行長は、欧州ブランドのエルテック買収により欧米シェアの拡大が期待できると指摘。またエルテックが持つ技術も買収を決めた理由の一つと明かした。
「今後もM&A進める」
海デルタ董事長は今年、今後10年間に毎年2桁の売上成長率を遂げるためM&A(合併・買収)を進めると何度も話していたが、これまで音沙汰がなかった。海董事長は「買収先として20社以上を検討し、ようやく当社の条件に見合うエルテックの買収にたどり着いた」と述べ、意中の企業だったことを明かした。
王淑玲デルタ総財務長は、エルテック買収は同社のM&A戦略の始まりにすぎず、今後さらに多くのM&Aを進めると語った。
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