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iPhone6sにデュアルレンズか、台湾サプライチェーンに期待感


ニュース 電子 作成日:2015年1月19日_記事番号:T00054978

iPhone6sにデュアルレンズか、台湾サプライチェーンに期待感

 アップルが下半期に発売すると予想されるスマートフォン「iPhone6s」に、光学ズームや3次元(3D)効果などの機能を持つ「デュアルレンズカメラ」を搭載するとの観測が浮上している他、他ブランドも相次いで採用を検討していることから、デュアルレンズカメラがスマホの今後のトレンドになることは間違いなく、携帯電話用カメラレンズ最大手の大立光電(ラーガン・プレシジョン)、デジタルカメラソリューションを手掛ける華晶科技(アルテック)などのサプライチェーンが恩恵を受ける見通しだ。19日付経済日報などが報じた。

 デュアルレンズカメラは背面のメインカメラに2つのレンズを搭載するもので、既に宏達国際電子(HTC)が「バタフライ2」や「HTC One(M8)」に、中国の華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)が「Honor6プラス」に搭載している。ラーガンの林恩平執行長は先日、現段階でデュアルレンズは▽撮影後のフォーカス変更が可能▽暗がりでの撮影能力強化▽光学ズーム▽3D効果──の4つの機能を備えると説明。多くのメーカーから問い合わせが相次いでいると明かした。ただ、関心を集めるアップルが含まれているかは明言を避けた。

ラーガン、需要対応急ぐ

 デュアルレンズカメラは光学レンズ業界にとって新たな商機を生む重要製品で、スマホ業界の今年のトレンドになると予測されるが、本格的なブームをもたらすのはやはりiPhoneとの見方だ。iPhone6sに搭載されれば、関連需要は数倍に拡大し、ラーガンにとってもアップルの導入時期が同社の生産拡大の鍵を握るとみられる。ラーガンは既にHTCなど一部メーカー向けに量産、出荷を開始している。今後の需要拡大に備え台中市で新工場の建設を急いでいるが、当面の需要に対応する必要から、まずは2工場を借りて生産拡大を図る予定だ。そのうち1工場は4~5月に稼働し、第2四半期の需要期に備える。なお、新工場は、2016年第3~4四半期に完成、17年の稼働見込みだ。

アルテック、成長に強気見通し

 一方、アルテックもデュアルレンズカメラ向けイメージプロセッサーの需要が拡大しており、今年は「大忙し」との見方だ。同社は昨年、HTCの「HTC One(M8)」にデジタル映像ソリューションを独占供給した他、ファーウェイにイメージプロセッサーを供給。今年は第2四半期にも、両社以外のブランドメーカーもデュアルレンズカメラ搭載機種を発売すると説明した。デュアルレンズカメラ向けイメージプロセッサーにはクアルコムや聯発科技(メディアテック)も参入を宣言しており、アルテックに打撃を与えるとの見方も浮上しているが、アルテックは同社のデュアルレンズカメラソリューションは他社を半年リードしていると強調。顧客の引き合いも多く、イメージプロセッサー事業は今年かなりの成長を遂げるとして、ライバル参入にも強気の見方を示した。

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