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エイサー、今年は12.5インチノートに注力


ニュース 電子 作成日:2015年1月26日_記事番号:T00055116

エイサー、今年は12.5インチノートに注力

 パソコン大手、宏碁(エイサー)の高樹国・ノートPC事業群総経理はこのほど、ノートPC市場において、今年最も成長が期待できる12.5インチ機種に注力していく方針を示した。12インチ台機種は11インチ、13インチ台の中間機種としてPCブランド各社も新製品の投入を予定しており、市場拡大が予想されている。26日付工商時報などが報じた。


「Aspire Switch 12」。ノートPC、タブレット端末、デスクトップPCなど「1台で5役」をこなすとうたう変形型機種だ(エイサーリリースより)

 高総経理によると、昨年はマイクロソフトがグーグルのクロームブック対策として、ブランド各社に対し、ウィンドウズOS(基本ソフト)のライセンス料を引き下げたノートPCパートナープログラム「NPP」を実施。199米ドル市場では11.6インチ機種が主流となったが、ディスプレイサイズが小さ過ぎ、一部ソフトウエアが使いづらいなどの声が上がった。一方、ワンサイズ上の13.3インチと12.5インチでは使用感に大差がないことから、価格を考慮し12.5インチに白羽の矢を立てた。昨年は、「Aspire Switch 12」を発売しており、今年はさらに多くの機種を投入する計画だ。

ゲーム用機種がけん引

 また、今年3月までに一般消費者向けノートPCの台湾市場シェアは25%獲得を目指す。昨年第1~3四半期はシェア10~18%を推移していたが、▽10月、21%▽11月、23%▽12月、23.9%──と上昇している。10月に発売したゲーム用機種「Aspire V Nitro」(15.6、17.3インチ)がコストパフォーマンスの良さから高評価を得ていることが貢献した。昨年12月には同社ノートPC出荷の20%を占め、今年も同機種の人気がシェア上昇をけん引するとの見方だ。3月にはインテルの3次元(3D)カメラ「リアルセンス」を搭載した機種(17インチ)を投入する。販売価格は6万5,000台湾元(約24万円)前後となる。リアルセンスを採用したノートPCはデルも投入を決めているが、発売時期は未定で、エイサーが先手を打てる見通しだ。

スマホは「コスト競争」

 一方、スマートフォン事業について劉思泰スマホ事業群総経理は、今年は「コスト競争になる」との見方を示した。現在スマホ市場は、正面、背面の両方へのデジタルカメラ搭載など高スペックが標準化しており、部品のプラットフォーム化を進め、部品の共有化や需要変化などに柔軟かつ素早く対応し、コスト低減を図る。今後はスマホとノートPCの部品の共有化なども視野に入れる。既にスマホとタブレット端末では共有化を開始しているが、ノートPCとの共有化は3年以内に軌道に乗せるのは難しいとの見解だ。

 また、これまで導入を見送ってきたウィンドウズフォンOS搭載機種の発売に踏み切る。3月上旬にバルセロナで開催されるモバイル業界の見本市、モバイル・ワールド・コングレス(MWC)で発表する予定だ。

 劉総経理は、今年、世界市場でのスマホ販売は2倍成長の1,000万台を目指すと説明。タイ、ベルギー市場では既にシェア5位以内に入っているが、世界市場では10位以内が目標だ。

【図】