ニュース 電子 作成日:2015年4月21日_記事番号:T00056550
液晶パネル大手の友達光電(AUO)は、アップルが今年第4四半期に発売するとされる次世代スマートフォン「iPhone6c」(4インチ)にインセル型低温ポリシリコン(LTPS)タッチパネルを供給する契約を結んだもようだ。台湾パネルメーカーがiPhoneシリーズに供給するのは初となる。21日付工商時報などが報じた。
アップルの最新スマホ、iPhone6(4.7インチ)のパネルはジャパンディスプレイ(JDI)、LGディスプレイ(LGD)、シャープが、iPhone6プラス(5.5インチ)はJDI、LGDが供給しており、日韓メーカーによる寡占状態だ。
サプライチェーンによると、iPhone6cのパネルもJDIとシャープが供給メーカーとして検討されたが、JDIはiPhone6プラス向けに追われて深刻な生産能力不足に陥っている。シャープは生産設備が比較的古く、かねてより良品率が低かった他、再び経営問題が報じられたことから今後の供給に懸念が生じ、アップルがかつてタブレット端末「iPad mini」で提携したAUOに打診したようだ。
AUOは既に新竹科学工業園区(竹科)の3.5世代「L3A」工場などをLTPSパネル工場に転換しており、iPhone6c向けに生産するとみられる。
観測についてAUOは「特定顧客についてコメントしない」とした。
大型機種に供給も
iPhone6cのサプライチェーン入りは、AUOのハイエンドパネル技術がアップルに評価されたことを意味する。アップルは今年下半期、iPhone6c以外にiPhone6s(4.7インチ)、iPhone6sプラス(5.5インチ)の発売が観測されているが、AUOは両サイズのインセル型タッチパネルも既に開発し、現在アップルにサンプル出荷しているようだ。アップルの認証を獲得できれば、AUOは2016年下半期に量産開始を予定する中国・江蘇省昆山市の第6世代LTPS工場を武器に、両機種向けへの供給も期待できる。
iPad mini再受注か
AUOはiPad mini初代機種にパネルを供給していたが、生産上の問題から2代目機種ではサプライヤーから外され、サムスン電子、LGDに取って代わられた。しかし、AUOは近年ハイエンドパネルに注力し、その品質がアップルに認められたことから、次世代iPad mini向けを受注する可能性も浮上している。
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