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4Gサービス1年、世界に誇る成功例に


ニュース 電子 作成日:2015年5月26日_記事番号:T00057184

4Gサービス1年、世界に誇る成功例に

 29日で1年を迎える第4世代移動通信システム(4G)LTEサービスはユーザー数585万件、普及率25%と世界で最も急速に広まった。3Gの10倍の通信速度という4G自体の魅力に加え、1カ月1,000台湾元(約3,980円)を割り込む世界で最も安い料金プランが普及に貢献した。1人当たりの平均データ通信量も7〜10GB(ギガバイト)と海外に比べてよく利用されており、世界に誇る成功例といえそうだ。26日付経済日報などが報じた。

 LTEの商用サービスは2009年12月にスウェーデンで始まった。世界に後れを取ったものの、台湾の通信キャリアは13年10月末の周波数帯割り当てからわずか7カ月と、世界最短の期間でサービスを開始した。

 最大手の中華電信は14年5月29日、予定を繰り上げてサービスの先陣を切った。遠伝電信(ファーイーストーン・テレコミュニケーションズ)が6月3日、台湾大哥大(台湾モバイル)が4日と追随。見切り発車のため、当初は人口カバー率が低い、通信速度が遅いなどの苦情が出たが、使い放題プランなどでユーザー囲い込み、新規獲得に注力した。台湾之星移動電信(台湾スターテレコム)が8月25日、業界最安値の月799元で殴り込みを掛けた他、亜太電信(アジア・パシフィック・テレコム)が12月25日、同社と合併予定の国碁電子(アンビット・マイクロシステムズ)が今年5月15日と、中堅キャリアも次々と参入した。

 4Gスタート後の台湾通信市場シェアは▽中華電信、36.60%(4G以前・33.68%)▽遠伝、28.60%(25.54%)▽台湾モバイル、28%(26.23%)▽台湾スター、4.3%(6.7%)▽新・亜太電信、3.4%(7.9%)──で、大手3社が4Gサービスによって勢力をさらに拡大させたことが分かる。

日本の4割安

 4GはMP3音楽が0.38秒(3Gの場合100秒)、HD動画が1分(4時間)と、3Gより圧倒的に速くダウンロードできる。それ以上に3Gからの切り替えを後押ししたのは、台湾の手頃な料金プランだ。

 台湾の月額料金プランは、データ通信容量が3GB(ギガバイト)なら798〜799元(大手3社)と、日本の約1,300元より38.6%安い。6GBなら中華電信で936元と、▽米国、約2,144元▽香港、約2,493元▽シンガポール、約2,389元▽中国、約2,981元──の半額以下だ。

 低料金に支えられ、ユーザーの1カ月当たりのデータ通信量は平均7〜10GBと、▽日本、3〜4GB▽韓国、3〜4GB▽米国、2〜3GB▽ロシア、1〜2GB▽中国、1GB未満──を上回り、世界最大だ。4G利用料金の昨年の平均請求額は1,088元だった。なお、3Gは607元(05年当時992元)、2Gは202元(842元)と下落傾向にある。

今年末1千万ユーザーへ

 台湾の4G普及率は25%(今年4月時点)と世界平均12.4%の約2倍に上る。▽韓国、62.5%▽日本、47.2%▽米国、41.9%──には及ばないが、▽英国、20.3%▽カナダ、19.8%▽ドイツ、7.8%▽中国、4.3%▽ロシア、2.3%▽南アフリカ共和国、2.2%▽ブラジル、1.9%▽メキシコ、0.6%(台湾以外は14年末の数値)──などの国々よりもサービス開始が遅かったにもかかわらず上回る。

 台湾の4Gユーザー数は今年末に1,000万件を突破する見通しだ。世界の4Gユーザーは昨年末の4億9,700万件から20年には35億4,800万件まで7倍に増えると予測されており、台湾でもさらなる普及が予想される。

【図】