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電子業界大手、下半期を軒並み悲観


ニュース 電子 作成日:2015年7月29日_記事番号:T00058410

電子業界大手、下半期を軒並み悲観

 電子業界の大手企業トップが28日、そろって下半期の悲観見通しを示した。IC設計最大手、聯発科技(メディアテック)の謝清江・副董事長兼総経理は、中国の携帯電話需要が弱まり、半導体景気は予想より悪くなると語った。液晶パネル大手、友達光電(AUO)の彭双浪(ポール・ポン)董事長は、パネル景気が下向き、「春から(夏が来ずに)秋になる」と述べた。通信キャリア最大手、中華電信の蔡力行董事長は、輸出動向から下半期の厳しさは目に見えており、台湾はアップルのスマートフォン、iPhoneだけに依存していてはならないと呼び掛けた。29日付経済日報などが報じた。


謝メディアテック総経理(左1)は「決戦IoT」フォーラムで、IoT産業が今後の台湾経済をけん引すると述べた(28日=中央社)

 経済日報主催のフォーラム「決戦IoT(モノのインターネット)」が同日、台北市で開催され、電子大手のトップが一堂に会した。

 メディアテックは携帯電話産業の最も川上に位置し、携帯電話市場の需要が読み取れる。謝メディアテック総経理は、6月初旬時点では半導体景気を楽観していたが、7月に市場の受注見通しが不透明になり、慎重視に転じたと話した。ただし同社は、新製品発売によって第4世代移動通信(4G)チップ市場でシェアが拡大し、下半期は上半期よりも業績が多少は良くなると予測している。

 彭AUO董事長は、欧州連合(EU)、日本、南米など新興市場の通貨安が最終製品の需要に打撃を与え、サプライチェーンの在庫水準が上昇しており、第3四半期よりパネル景気が下向くと語った。上半期は非需要期ながら悪くなかったが、下半期は例年のようには振るわず、春から秋に突入すると述べた。

 蔡・中華電信董事長は、川上の半導体から川下の最終製品まで台湾のハイテク産業に好材料はないと述べた。予想していた以上に厳しいが、政府と企業が協力して競争力を向上させなければならないと訴えた。

DRAM価格、反転困難

 ノートパソコン受託生産大手、緯創資通(ウィストロン)の林憲銘董事長は、市場の需要が弱まり、マクロ環境の変化は著しく、新興市場の成長は頭打ちで、欧州はギリシャ問題で足踏み状態だと指摘した。少数者への利益集中が進む中、勝ち組との関係を構築するか、自ら新しい市場を開拓するしか道はないと語った。

 DRAM大手、南亜科技の李培瑛副総経理は、世界経済の好転は困難で、今年DRAM価格がV字回復する可能性は低いと述べた。ただ、マイクロソフト(MS)の新OS(基本ソフト)、「ウィンドウズ10」やインテルの新プロセッサー、「スカイレイク(開発コードネーム)」がリリースされれば、PC市況は大幅ではないが改善すると語った。スマホは新iPhone発売、年末のクリスマスシーズン到来まで改善しないと述べた。