ニュース 運輸 作成日:2015年8月19日_記事番号:T00058811
台北駅と桃園国際空港などを結ぶ台湾桃園国際機場捷運(桃園空港MRT)について、陳建宇交通部長は18日、年末の開通は不可能と初めて明言した。8月末に交通部高速鉄路工程局(高鉄局)が専門家や学識者を交えた検討会議を開催し、改めて開通時期を決定すると説明した。高鉄局は後続の検査などのスケジュールを考え、来年3月の開通を計画しているようだ。19日付蘋果日報などが報じた。
高鉄局は、先週末の台風13号を教訓に、今週末に接近する見通しの台風15号(アジア名・コーニー)に備えると表明した(中央社)
陳交通部長は、「市民に何と言われようと、安全第一が最優先事項だ」と強調した。最後の走行試験が7日連続で信頼度99%以上でなければ、最終審査、開通に進めないと説明した。
高鉄局は来年の春節(旧正月)までは依然試験段階で、春節明けから3月末までには開通できると、運営会社の桃園大衆捷運(桃園メトロ)との間で認識が一致しているようだ。
桃園空港MRTの開通時期は当初2010年末を予定していたが、原材料価格の上昇、工事の遅延などで、これまで4回延期されている。
軌道パッド、6千枚亀裂
桃園空港MRTは17日、作業車両、脱線器、電力供給用の第3軌条が損壊する事故が発生、18日には台風13号(アジア名・ソウデロア)の際に台北駅の地下トンネルが水で溢れプール状態だったとメディアに報じられた他、段宜康立法委員(民進党)が同日フェイスブック(FB)で、軌道パッド6,000枚以上に亀裂があり、最悪の場合、開通後に脱線もあり得ると指摘した。
高鉄局は、作業車両などの損壊に関しては1週間以内に修復可能で、地下トンネルにたまった水位は25センチメートルにすぎず、プール状態は言い過ぎだと反論。現在、台北市政府捷運工程局、メーカーと排水の設計を見直していると説明した。
軌道パッドの損壊について高鉄局は、全線31万4,135枚のうち昨年初めに6,200枚に亀裂が見つかったが、わずか2%相当にすぎず、亀裂があっても絶縁性はあるので、運行に安全上の影響はないと説明。今年5月から交換を始め、10月末に完了予定で、来年初めに全線を全面検査すると表明した。
乗車に不安感
逢甲大学運輸科技管理学系の李克聡副教授は、これほど問題が多いのでは開通を急がず、安全を十分に確保した方がいいと提言した。海外に行くことが多いある女性は、桃園空港MRTが開通しても当面バスを利用すると話した。
桃園空港MRTは、台北駅〜環北駅(桃園市中壢区)の22駅、全長51.03キロメートルを当初は6分間隔で運行する。普通車なら全区間を70分、直通車なら台北駅〜桃園空港駅を35分で結ぶ。台北駅〜桃園空港駅の運賃は130〜170台湾元(約500〜650円)となる見通しだ。
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