ニュース 運輸 作成日:2015年11月23日_記事番号:T00060541
2007年に開業した台湾高速鉄路(高鉄)は一部設備の更新時期を迎えており、現在、列車運行管理システムの調達について交渉中だ。日本側が提示した100億台湾元(約380億円)以上に対し、高鉄は70億元への引き下げを求めている。それでも、機電システムは調達当時1,000億~2,000億元に上ったため、更新全てを日本に依存すると維持費が膨らむ。高鉄の劉維琪董事長は、一部部品の現地生産化を目指す考えを示した。23日付経済日報が報じた。
高鉄の機電システムは車両、列車運行管理、信号、通信、電力、軌道などを含み、設備の寿命はそれぞれ異なる。最も寿命が長い車両は、整備、保守点検を行いながら25~30年使用できる。
高鉄によると、今回更新する運行管理システムは東芝、日立、三菱重工の大手3社が製造しており、現在詳細を詰めている段階で、調達額は交渉中だ。契約締結後、来年初めにも運行管理センターに着手し、続いて車両基地、駅を手掛け、その後、列車の運行管理システムを対象とする予定だ。
劉・高鉄董事長は、運行管理システムは一般に使用されているパソコンと同じように常にソフトウエアを更新しなければならず、運行の安全を確保するため、ハードウエアも同時に交換すると説明した。
その上で劉董事長は、日本製の運行管理システムパッケージは優秀で、9年以上使用していてもフリーズしたことがないので、今後も日本から調達すると表明した。台湾はIT(情報技術)産業が強いが、この分野には手が出せないと付け加えた。
設備の延命措置も
劉董事長は一方で、高鉄は日本の新幹線システムを導入したので、多くの部品を日本から調達しなければならず維持費がかかると述べた。このため高鉄は、中央研究院(中研院)、国家中山科学研究院(中科院)、および国立高雄第一科技大学と技術チームを組織し、部品の現地生産を目指して研究開発(R&D)を進める方針だ。
高鉄は乗務員訓練用のシミュレータも日本から調達しており、故障すれば日本側に修理を依頼したり、購入し直さなければならない。だが安くはなく、今後、中科院にソフトウエアの設計を依頼すると同社は説明した。高鉄のシステムや設備は非常に複雑で、今後も大部分は日本から調達しなければならないが、できる限り現地生産すれば、部品調達や修理費用を減らせると指摘した。
このほか高鉄は、JR東日本、JR東海、JR西日本との交流を通じて、点検の強化など列車の寿命を延ばす方法を学ぶことを決めた。
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