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事件簿53 病気休養はいつまで?/台湾


コラム 人事労務 台湾事情 作成日:2022年3月11日

労務コンサルタントの事件簿

事件簿53 病気休養はいつまで?/台湾

記事番号:T00101461

 社員が病気で休養が必要な場合、休職期間満了までに復職できないときに、会社はその社員を解雇できると認識されていませんか?実はこれ、間違いです。

人事部長:総経理、営業部の黄さんが癌の治療に専念したいとのことで、休職を申請しています。ただ、休職期間中の社会保険は継続することを希望されており、会社としてもこれを拒否することができないため、1年分の保険料を負担することになります。正直なところ、黄さんの日頃のパフォーマンスは低く、会社としてはこれを機に契約の終了を提案してみるのはどうかと思いますが、いかがでしょうか。

総経理:休職期間中は無給なのに保険料がかかるのか!?

人事部長:はい、その通りです。休職前の給与(月額標準報酬額)で継続させなければなりません。

総経理:しかし、病気で解雇するようなことは法律上許されるのか?トラブルになるようなことだけは避けたいのだが…。

人事部長:実は私もそれを懸念しています。病気療養のための休職は法律によって1年を上限として取得することが認められているようですので、下手すると労動局に告発される可能性もあります。もしくは、休職期間が満了して復帰ができないようでしたら、その時に契約を終了する形が無難かもしれません。

総経理:それでは休職要請に応じるしかないのだろうか...?

解説

 台湾では、労働者の「一般傷病休暇(病欠)」が法定の期限を超え、私用休暇または有給休暇を使い切った後もなお完治しない場合、1年を上限として無給休職とすることができると法律(労働者休暇申請規則)によって定められています。しかし、無給休職は労使双方合意のうえで行うものであるため、強制力はありません。会社はこれに対して拒否権を持っています。つまり、社員が法定の休暇を使い切り、他に配置転換などを行う余地もなく、労働契約の履行が継続できない状況に至った場合には、会社は労働基準法第11条第5号に基づき、職務不適任を理由に労働契約を終了させることが可能となります。

 尚、社員から都度交渉を持ちかけられることを回避するため、あらかじめ就業規則でルール化していることが多いです。ただ、今回のケースでは、残念ながら、同社の就業規則には病気療養による休職申請が可能であることのみが記載され、これに対して特に制限が設けられていませんでした。よって会社は休職に応じざるを得ない状況に至ってしまい、就業規則の重要性を痛感させられたのでした。

 さて、御社の就業規則は大丈夫ですか?

村田亜衣奈

村田亜衣奈

講師 アソシエイツ

就業服務技術士資格を活かして労務問題解決を担当。 法律解釈だけでなく事例を交えたり、顧客事情を察した的確な回答に顧客の信頼が厚い。 ネイティブな中国語と豊富な知識で労務課題の講師も担当している。

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