コラム

記事番号:T00011352
2008年11月5日0:00
 
 JR西日本が運転士・管理職530人を対象に実施したアンケート調査、「効果的なほめ方、しかり方」が、日本のニュース報道で先日紹介されていました。

 乗客106人の死者を出したJR福知山線脱線事故の反省から、同社は「ヒューマンファクター(人的要因)を研究することで、事故につながるヒューマンエラー(ミス)を未然に防ぐ」ことを目標に安全研究所を設立。アンケート調査は、人間の心理特性に着目した研究の一環として行われました。

 その調査結果の一つとして、「部下が工夫した点について、『上司が評価した場合は、業務への責任感が上昇する』、『上司が評価しなかった場合は、責任感が低下する』」という事実が挙げられていました。

 部下指導には、「ほめる」「しかる」の2つの手法があります。いずれのも重要ですが、一般に部下のモチベーションを上げるには、「ほめる」ことが有効とされています。優れたリーダーとして名をはせた旧日本海軍山本五十六司令官も、「やってみせ、言って聞かせてさせてみせ、ほめてやらねば部下は動かず」という名言を残しています。

 同調査ではまた、「上司との関係が悪ければ、責任感が低下する」という結果も出ています。つまり、「上司と部下が良好な関係にあり、さらにほめることが大切」といえます。

 では、上司と部下の関係を良好にするには、どうしたらいいのでしょうか?

エニアグラムによるコーチング

 弊社の管理者研修カリキュラムに、「エニアグラム」を活用したコーチングがあります。

 「エニアグラム」は、もとはギリシャ語で「9の図」を意味する幾何学図形のことでした。現在では、人を9つのタイプに分類し、それぞれのタイプが持つ特性や動機付けを定義した性格論のことを指しています。このエニアグラムを利用すれば、リーダーはまず自分自身のタイプを理解し、メンバーの特性に基づいて指導することができます。
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 強い組織におけるリーダーは、メンバーの特性を熟知・把握し、メンバーの活用方法を理解しています。また、メンバーも互いの特性を理解し、団結力が生まれ、高い成果を挙げることができます。エニアグラムはこうした「相互理解」と、「良好な関係を築く」ための手段としてあるのです。さらに、各タイプの思考や行動スタイルといった基本特性のほか、精神的バランスを失った場合に陥いる状態や、動機付けの方向性なども示されており、部下指導に役立てることができます。

台湾人管理者にも好評

 9つのタイプへの分類は、複数の設問に対する回答を集計することで行います。日本でも最近、エニアグラムを幹部研修に導入し、組織活性化に役立てる事例がよく見られます。また、星座占いや血液型別タイプ分けがポピュラーな台湾人管理者にも、このエニアグラムを活用したコーチング手法は大変、好評です。

 弊社内でも、事あるごとに「○○さんはタイプ○だから…」といった会話が交わされるなど、エニアグラムがコミュニケーションの一環を担っています。また、上司や部下、同僚への接し方、自分自身の問題把握や解決策をエニアグラムタイプで判断してみると、不思議とスムーズに物事を進められることもあります。

 今後折に触れ、エニアグラムの9つのタイプについてご紹介したいと思います。


ワイズコンサルティング 宮本美子