ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム 会社概要 採用情報 お問い合わせ

コンサルティング リサーチ セミナー 在台日本人にPR 経済ニュース 労務顧問会員

事件簿18 身分証の携帯、忘れるべからず?!


コラム 人事労務 作成日:2009年8月12日

労務コンサルタントの事件簿 労務問題Q&A

事件簿18 身分証の携帯、忘れるべからず?!

記事番号:T00017189

●身元不明の政府管轄局員...?!

 「何やら騒がしいな。どうしたんだろう?」

 在台日系電子部品企業の総経理Y氏がオフィス入り口に目をやると、総務のL小姐が来客者と押し問答しているのが見えた。L小姐は同社勤続が長く、面倒見が良い性格から社内で頼りにされる存在だ。穏やかな性格のC管理部長が時折煮え切らない際、ずばっと采配を振るうため“影の管理部長”の異名もあった。代々の日本人総経理への忠誠心は強く、「総経理の命は何が何でも成し遂げる!」がモットーであるが、その情熱(?)が時に勢い余って空回りし、かえって総経理当人を悩ませていることに気付いていないのが玉に傷だった(L小姐の忠誠ぶりは、事件簿6をご覧下さい)。

Y総経理:L小姐、どうしたの?

L小姐:あ、総経理。実は政府の外国人就業管轄局の人が調査に見えたのですが、身分証か名刺の提示を要求したら、持ってないというので、念のため管轄当局に電話して彼の身分を確認していたところです。最近不況で、いろんな詐欺がはやってますからね。

Y総経理:ああ、そう。で、何の調査?
L小姐:何でも、不法労働者や行方不明の外国人労働者が増えているので、外国籍就業者の確認調査とのことです。それで、総経理の身分証照合のため、居留証をお借りできますか?

Y総経理:はい、じゃあよろしく。

 財布に常備している居留証をL小姐へ渡したY氏は、彼女の“取り調べ”を散々受け、疲れた表情の当局担当者に同情の念を抱いたのだった。

 ──それから1カ月後。

 Y氏は日本本社の会議に向かうため、桃園国際空港にいた。家族や本社へのお土産を買い、出境審査に臨んだ。いつもスムーズにいくのに、今回は何やら審査官に問われたものの要領を得られず、急いで携帯電話でC管理部長へ電話をして事情を聞いた。すると、「居留証の提示」を求められているとのことだった。

Y総経理:え?居留証?これまで以前は、パスポートの提示だけで問題なかったのに。えぇーと、居留証、居留証...。

 財布を取り出し、いつも常備する場所を確認したが居留証は見つからない。

(あれ?おかしいな?...あ、しまった!)

 1カ月前、政府管轄局員が来社した際、L小姐から居留証を返してもらったが、緊急の電話に対応するため慌てて机の引き出しにしまったことを思い出した。

●解説:

 台湾政府の各種主管機関には、正規公務員のほか、臨時契約やパートで働いている人もいます。特に最近は失業対策として、臨時職員は増えているとも聞いています。よって、今回のケースのように、公務員の身分証や名刺を持たない臨時職員が、企業に調査に出向くこともあるようです。

 ただし、詐欺が横行していることもありますので、L小姐のようにまず相手の身分確認を行い、リスク回避を図るのは適切な措置といえます。(なお、「法に基づく政府当局の検査・職務執行を拒絶、忌避、妨害した場合、1万元から5万元以下の罰金を科す」という法令もあるため、行き過ぎた拒否行動にはご注意下さい)

 また、台湾の居留証は、偽造・変造防止のため、2007年7月より従来の紙面版からICカードに切り替わり、今後全面的な切り替えが進められていきます。外国人の再入国許可証の情報はICカード居留証に記録されるようになったため(従来はパスポート内に添付)、台湾出入境時に居留証の提示が求められることになる訳です。日本に帰国される際は、居留証の携帯をお忘れなく!


ワイズコンサルティング 宮本美子

労務コンサルタントの事件簿労務問題Q&A

情報セキュリティ資格を取得しています

台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。