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事件簿25 休憩時間の設定に法定義務はあるか?!


コラム 人事労務 作成日:2009年11月18日

労務コンサルタントの事件簿 労務問題Q&A

事件簿25 休憩時間の設定に法定義務はあるか?!

記事番号:T00019283

 
●15時のおやつは法令義務…?

 在台日系電子デバイスカンパニーM社の総経理T氏は、台湾駐在3カ月。不況のあおりで業績下降真っただ中の台湾法人への赴任を命じられ、「まぁ、これ以上悪い状態になりようがない」と腹をくくり、赴任後は積極的に顧客・代理店回りに努めてきた。ようやく最近、台湾ビジネスのありさまが見え始め、自社オフィスに在席する日も増えた。そんなある日の昼下がり…。

 目を通していた財務報告書の一部を経理担当のK小姐に確認しようと総経理室から出ると、席にいない。よくよくオフィスを見渡すと、K小姐だけではなく、ほとんどの事務スタッフが不在になっている。一人残り電話対応を終えたO小姐に「他のみんなはどこに行ったんだね?」と尋ねると「従業員休憩室です」とのことだった。何か緊急の打ち合わせでも始めたのかと、休憩室をのぞいてみると、女性社員がテーブルを取り囲み、K小姐がケーキの等分に奮闘していた(!)

T氏:何をしてるんだね?

K小姐:あ、総経理。今日はL小姐の誕生日なので、みんなでお祝いしているところです。

T氏:そう。でも今は勤務中だよ。お祝いは、終業時間後にしなさい。

K小姐:でも…今は休憩時間ですけど…。

T氏:え?休憩時間??

K小姐:はい、15時から30分は休憩時間です。

T氏:30分も?それはわが社の規定なの?

いぶかしげに総務O小姐に向かって尋ねると、

O小姐:はい、労働基準法に基づいて就業規則に規定されています。今日のように誰かの誕生日ですと、この休憩中にみんなでお祝いするのが習慣なんです。あ、総経理にも後でケーキをお持ちしますね!

T氏:…。

 思いがけない状況に、T氏は急いで総経理室へ戻り、前任者から引き継いだ書類ファイル中から就業規則をめくった。就業時間規定に「始業9時~終業18時/昼休憩12時~13時」に続き確かに「休憩15時~15時半」の記載がある。(これまで午後はずっと外出していて気が付かなかったが、これはどういうことなんだろう…。本当に台湾の労働基準法には、昼休憩以外に、30分も休憩時間を設定することが義務付けられているんだろうか…。他社の経営者からも、そんな話は聞いたことがないが…。)

 T氏の新たなる苦悩の日々の始まりであった…。

●解説

 台湾の労働基準法には「連続4時間の労働に対して、最低30分間の休憩を与えなければならない」との定めがあります(同法第35条)。

 これによれば、前述ケースのM社規定のように、午後13時~終業18時までの5時間内に30分の休憩時間を設定するのは、ある意味、妥当と言えます。

 ただし、労働基準法の制定当初、台湾の主産業は製造業で、適用対象は工員をはじめとするブルーカラー層でした。よって当該第35条の「休憩時間の設定義務」も元来「作業場・労働持ち場から自己都合で離れられない」ブルーカラー層の労働体制向けの規定と言えます。現在一般企業オフィスのホワイトカラー層は、無断での私用外出は禁じられているものの、オフィス内でトイレに行く、お茶を飲むといった休息を、比較的自由に取ることができます。

 このことから一般オフィスでの就業規定には、当該第35条の「連続4時間労働に30分休憩」を必ずしも適用する必要はないとされています。(労働主管機関・労工局の見解より)


ワイズコンサルティング 宮本美子

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