事件簿31 過失を犯した従業員から罰金は取れるか?!


コラム 経営 人事労務 台湾事情 作成日:2014年1月24日

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事件簿31 過失を犯した従業員から罰金は取れるか?!

記事番号:T00048304

 春節(旧正月)前の忙しいある日…前回に引き続き、社内騒動が一件落着(?)したばかりの在台日系企業の化粧品販売会社M社で起きた事件を紹介します。M社はBtoCビジネス(コンシューマー向けビジネス)を展開しており、台湾では主に店舗を訪れた客を会員登録して名簿を作成し、商品カタログや、イベント開催の案内送付に利用しています。

会員名簿が流出…

王秘書:「総経理!大変です!営業企画課から、会員名簿の一部が誤って外部に流出してしまったそうです」

小林総経理:「一体なぜそんなことが起きたんだ?」

王秘書:「最近残業続きだったCさんが、疲労からか一部の会員に誤って会員名簿の顧客情報1〜100までを含むファイルを添付して送ってしまったようです〜」

小林総経理:「とにかくすぐに顧客へ謝罪し、コンプライアンスマニュアルに沿って対応するよう関係部署に連絡してくれ」

王秘書:「Cさんはどうしましょうか?」

小林総経理:「Cさんは故意ではなかったとはいえ会社に損害を与えたんだ…就業規則に記載されているとおりに、再犯防止のために厳しいペナルティーを与えることにしよう。3カ月間は給与の10%カットを行う。本人には同意書を書いてもらう」

王秘書:「台湾では給与を減給することは違法ですが…」

●解説

 台湾では会社に損害を与える過失を犯した従業員から罰金を取ることは、原則、法律に抵触します。労働基準法第26条(補償賠償目的の賃金控除の禁止)で「雇用者は、違約金または損害賠償費用に充てるために、あらかじめ労働者の賃金を控除してはならない」と規定しています。

 しかし、飲食業で食中毒事件を起こせば商売継続が難しくなるのと同様に、個人情報流出という情報漏えいは、非常に深刻な問題です。大切なお客さまの個人情報管理の重要性を考え、過失が懲戒解雇に相当する水準だった場合、減給を行うことができます。ただし、事前に懲戒解雇事由を詳しく労働契約または就業規則および内規に明記し、従業員の同意を得ておく必要があります。

 なお、社内において人事制度が構築されており、人事考課などに基づいて、正当な評価によって減給または賞与カット、あるいは降格に伴う役職手当を削除するという手法であれば、合法的に減給を行うことが可能です。 

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