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事件簿35 犯罪経歴書の提出要求は違法?


コラム 人事労務 台湾事情 作成日:2014年6月13日

労務コンサルタントの事件簿

事件簿35 犯罪経歴書の提出要求は違法?

記事番号:T00050901

 台北市内の某百貨店の顧客サービスとテレマーケティングのスタッフを募集していた在台日系小売業のT社。ある日、市民から台北市政府労働局に通報があり、労働局の検査が入ることになった。その検査結果について、田中総経理は頭を悩ませていた。

犯罪経歴書の要求は違法

管理部長Aさん:「総経理、大変です。先日の労働局が検査に入った結果ですが、わが社が採用通知書で犯罪経歴書の提出を要求していることは就業服務法(就業サービス法)違反と指摘され、罰金6万台湾元を科せられました」

田中総経理:「消費者の個人情報と取引の安全性を守るためだと主張しても認められなかったのか?」

管理部長Aさん:「はい…今までは何ともなかったのですが、申し訳ありません」

岡部総経理:「まあ、起きたことは仕方がない。今後二度と同じことがないように、法律をしっかり確認して、対応策を考えてきてくれ」

管理部長Aさん:「はい。承知しました」

●解説

 労働局の見解によると、雇用主が従業員を募集する際に採用条件を制限する場合は法令の定めに従う必要があります。例えば、警備員を雇用する場合、保全業法(警備業法)の規定に合致しているかを確認するために、雇用主は求職者に「犯罪経歴証明書」の提出を要求しなければなりません。

 ただ、このようなケースを除いて、就業服務法第5条第2項第2号で「雇用主が従業員の募集あるいは雇用を行う際に、求職者あるいは従業員の意志に反し、その国民身分証、就業許可証あるいはその他証明書類を保管したり、または職業と関係のないプライバシー情報の提供を要求してはならない」と規定されています。

 また、プライバシー情報の定義については、同法施行細則の第1−1条に次のような規定があります。
「本法第5条第2項第2号におけるプライバシー情報とは、下記の各類を含む。
1.生理学的な情報:遺伝子検査、薬物検査、医療検査、HIV検査、知能検査、指紋など
2.心理的な情報:心理テスト、正直度テスト、ポリグラフ(うそ発見器)など
3.個人の生活情報:信用調査、犯罪記録、妊娠計画、背景調査(経歴調査)など

 さらに「雇用主は求職者の権益を尊重し、経済活動上あるいは公益維持など特定目的の必要な範囲を超えてはならず、またその目的と要求する資料との間に正当かつ合理的な関連性がなければならない」と規定されています。

 上記の法律根拠から労働局は罰金を科しました。会社は求職者の権益を尊重し、求職者や内定者の同意なく、不必要な個人情報の提供を要求したり、未提出者は入社手続きが未完成であると見なし、給料支払いは資料提出が完了するまで保留とすることは、法令に抵触しますので、ご留意ください。 

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