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事件簿2 従業員持株の譲渡制限


コラム 人事労務 作成日:2008年3月27日

労務コンサルタントの事件簿 労務問題Q&A

事件簿2 従業員持株の譲渡制限

記事番号:T00006388

 
●台湾Y社の状況

 台湾Y社の従業員は20名と小規模であったが、近年ではビジネスが伸び始め、日本のY社にとって重要な海外拠点の一つになっていた。

 台湾Y社は日本のY社の100%投資による株式会社であったが、過去に「優秀な幹部の引き止め」を目的に幹部たちには少数の株を分け与えたことがある。

 ところが最近、以前の幹部で株主の一人でもある荘氏が、「子供たちも既に海外に移民しているし、私も高齢でそろそろリタイヤするので、持株をY社に買取ってほしい」と要求してきた。

 Y社でも過去に幹部に分け与えた株を買い戻そうという議論を何度かしていたので、荘氏の申し入れはちょうど良い提案だった。

 しかし、荘氏の買い取り提示額を聞いて、Y社の経営陣たちは驚いた。

 荘氏が提示した額は今後のビジネスの伸びを含めたプレミアム価格を提示しており、「この金額での買い取りが不可能であれば、この価格で買取ってくれる第三者に売却する」と主張してきた。

 競合他社にでも譲渡されると、株主として情報開示を求められるなど、面倒なことが予想されるので、なんとか譲渡制限をできないかを調査することにした。

●日本本社からの要求

 先月より台湾Y社の総経理に赴任したばかりの七沢氏は本社から以下の件について調査を指示された。

 1.台湾では株式の譲渡制限は可能か?
 2.日本の株式譲渡制限会社のような仕組みはないのか?

 七沢総経理は、台湾に赴任したばかりで、台湾の会社法や日本の会社法についてよく知らなかったし、赴任前はもっぱら営業畑だったので、質問の意味すら良く理解できず困り果てていた…

●解説

 日本における株式譲渡制限会社は、2005年6月に法改正となった会社法で設けられた、株式譲渡を制限できる会社形態です。

 台湾の会社法では、株式譲渡制限会社という会社形態は存在しません。

 しかし、その代わり有限会社という会社形態により、出資の譲渡が制限されます。

 台湾Y社の場合、株式会社から有限会社に会社形態を変更すれば問題は解決しそうですが、残念ながら株式会社から有限会社へ会社形態を変更することは認められていません。

 つまり、台湾Y社は荘氏を説得してリーズナブルな価格で株式を買い取るか、第三者への譲渡を認めるかしか手段はないのです。

 では、台湾の会社ではどのように優秀な幹部を引き留めているかといいますと、「疑似株主制度」という方法が一般的です。

 「疑似株主制度」とは、「株の所有権は移動せずに、配当や議決権など株主と同じ権限を与え、退職時には額面価格で会社が買取る」という持株制度のような制度です。


ワイズコンサルティング 吉本康志


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