記事番号:T00064608
D社は、大手電機メーカーの製造する商品の卸売り販売をしている会社です。先日、労動局の労働検査員による臨時の労働検査が行われました。
管理部長:「総経理。先日の労働検査ですが、営業マンの夜の接待について、残業代を支払うべきだと労働検査員から指摘を受けました」
総経理:「残業代が出ない代わりに営業手当を支払っているだろ?それに、休日勤務手当は出てるんだろ?」
管理部長:「はい。それに就業規則にも営業手当の支給対象者には残業代を支給しないと明記してますが…。接待は会社の指示で行くものだから残業と見なすべきだと言われました」
総経理:「うぅ~ん。ただ、どこの企業も、営業マンの接待は残業と認めていないだろ?なぜ当社だけ守らないといけないのだ!」
管理部長:「もし接待も残業と見なさなければならないとなると、残業時間は月46時間をゆうに超えてしまいます。そうするとさらに法律違反になります…」
総経理:「これじゃ八方塞がりだな」
管理部長:「どうしましょう…労動局からは今回の調査内容に関して会社側の説明を求めてきておりますが、下手に返事すると罰金を科せられる恐れが…」
●接待は残業と認めるべきか
残業の定義は労働基準法第32条によると、「雇用主が労働者に通常労働時間外に労働させる必要がある場合」とありますので、業務指示による接待であるならば、原則として、その規定に基づいて算出し、支払うべき義務があります。
また、労働者の出退勤記録の管理責任は雇用主にあるため、労動局にも出退勤記録と残業申請書を調査段階で照合されます。
そのため、接待に関しても、本来ならば事前に会社や上司の承認を得てからとすべきであり、「公務による接待」であるのかを管理することが必要となってきます。
しかしながら、先のように、営業マンには営業手当を支払うから、いわゆる残業代は支払わないという取り扱いをしている会社は、存在していると思います。
このような取り扱いは、労働基準法24条の規定とは異なりますので、厳密に言えば営業手当を支払われていても、残業時間と照合して計算した結果が、法定基準を下回る額である場合は、法律に抵触いたしますので、ご留意下さい。
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