コラム

記事番号:T00009651
2008年8月20日0:00
 
 先日8月12日付ワイズニュースのトップ記事、「企業の外見重視傾向(外見良い人材は有利、企業の83%)」において、編集部から同記事への意見を求められ、僭越(せんえつ)ながら一言コメントさせていただきました。

 掲載記事での1111人力銀行アンケートで、企業が面接時に最も重視するのは「服装などの身だしなみ(81.33%)」という結果には、ある意味うなずけます。私自身、弊社人材の採用に携わる際、まず応募者の身だしなみをチェックし、面接評価基準の一つとします。

 ただし、「身だしなみを重視する」理由としては、同アンケート回答の上位に挙げられていた「自己管理能力の善し悪しを判断できる(50.95%)」のような仰々しい理由よりも、もっとシンプルに「面接には身だしなみを整えて臨むのが『常識』」との観点によります。

 私がこれまで台湾で採用面接を担当した中で、スーツを着用してきた台湾人応募者はごくわずかでした。スーツを着用しないまでも、ある程度「ビジネスシーンにふさわしい服装」を期待する私とは裏腹に、普段着や時には驚くような突飛(とっぴ)なスタイル(!)で登場する応募者の面々に感化され、ついにはスーツを着用してきた人を「特別視」してしまう始末でした。

 そこで私が導きだした仮説と結論は、

1. 私(一般日本人)が求める「ビジネスシーンにふさわしい服装」とは「日本人の固定観念・常識」で、一般台湾人には通用しない

2. ビジネス経験がない、または浅い人は、面接での身だしなみの重要性(相手・評価に与える影響力)を知らない。よって「評価する上で身だしなみにとらわれすぎてはいけない(=その他能力・スキル・性質で見極めるように努める)」
というものでした。

 この仮説の裏付けとしては、私が面接をした中で、スーツ着用やこちらが期待する服装でやってきた台湾人の多くは、日系企業で働いた経験がある、または日本に留学経験がある人たちでした。彼らは日本文化や習慣に通じていて、「日本人が求めるビジネスシーンにふさわしい服装」や「面接にはそのふさわしい服装で臨むべき」という日本人の常識を知っていたと思われます。一方、台湾人のみならず日本人でも、「ビジネスシーンにふさわしい服装」を知らない、面接の心得を学ぶ機会のなかった、社会経験の浅い応募者は面接時の身だしなみには特に気を使っていなかった傾向があったからです。

 かつて面接に少々突飛な格好でやってきた社会経験の浅かった某小姐も、弊社の愛ある(?!)厳しい教育と職場環境で、今では「日本人が求めるビジネスシーンにふさわしい服装と心得」で、弊社の戦力として潜在能力を発揮しています。

 台湾での採用は、「原石も磨けば光る宝石に!」の精神で臨まれることをお勧めします。

第一印象が与える影響

 アメリカの心理学者メラビアンの説によれば、人が他人に与える影響・印象度は、見た目などの「視覚情報」が55%、話し方(スピード・トーン)などの「聴覚情報」が38%、話の内容などの「言語情報」が7%の割合となっています。つまり、第一印象は「外見」でほぼ決まってしまい、冒頭のアンケート結果の通り、特に顧客や取引先と直接会う機会が多い営業職や、顧客サービス人員に、企業が外見の改善を求めることは当然といえるかもしれません。


ワイズコンサルティング 宮本美子