リーガル

記事番号:T00047838
2013年12月26日15:40

 皆さん、こんにちは。黒田日本外国法事務弁護士事務所顧問の佐田友です。

 早いもので、今年ももうすぐ終わりですね~。今年は台湾でも日本でも「食」への信頼が揺らいでしまう事件があったり、暗いニュースも多かったですが、2020年夏季五輪の東京開催決定はかなり明るい、うれしいニュースだったと思います。楽しみなイベントが待ってるのはなかなか良いもんですね~。

日本より高い台湾の離婚率

 話は大きく変わりますが、今日は「離婚」について書いてみます。台湾は、実は結構、離婚率が高くてアジア1位という話もあるくらいです。

 まず、台湾でどのくらいのカップルが毎年離婚しているかを調べたところ、08年までのデータですが、多い年で6万5,000組近く、少ない年は5万5,000組程度となっており、平均すると6万組前後で推移しています。

 これに対して結婚するカップルは約14万組程度ですので、比率でいえば離婚1に対して結婚2.33ほどになります。

 これだけだと離婚が多いかどうか分かりにくいので、日本と比較してみますね。日本では最近離婚が増えているような印象がありましたが、実際のピークは02年で、29万組近くが離婚しました。最近は減少傾向にあり、11年は23万組台でした(厚生労働省のウェブサイト参照)。これに対して結婚するカップルは66万組程度ですので、11年の比率でいえば離婚1に対して結婚2.87ほどになります。

 この比較から、台湾は日本よりは離婚率が高いということが言えそうです(統計の専門家ではないのではっきりしたことは言えませんが)。ちなみに、台湾の離婚原因の7割以上が不倫だそうです。

日台で異なる裁判離婚

 離婚に関して言えば、当事者で協議を通じて離婚する以外に、日本でも台湾でも裁判を通じて離婚することが認められています。つまり、夫か妻が裁判所に離婚を請求して、裁判所が認めることで、相手方が離婚を望んでいなくとも離婚を成立させるという方法(「裁判離婚」と言います)が存在します。ただ、日本と台湾において、この裁判離婚については大きな違いがあります。

 日本では、民法に「婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に夫婦の一方が離婚の訴えを提起できるとされています。また、婚姻関係の破綻を招いた原因のある夫または妻(「有責配偶者」と言います)からの離婚の訴えを認めることができるかについて、最高裁は以前、「専らまたは主として責任のある当事者は、これをもって婚姻を継続し難い事由として離婚を請求できない」と示していました。しかし、最高裁は85年に一定の要件の下、有責配偶者からの離婚請求を認める判例変更を行っています。

 一方、台湾では民法上、有責配偶者が離婚請求をすることができないことが明記されているため、婚姻関係が破綻していたとしても、責任のない配偶者から訴えを起こさない限り裁判離婚は成立しません。実際に破綻した婚姻関係を存続させることに意味があるのかは微妙なところですが、責任のない配偶者が有利な離婚条件を有責配偶者から引き出すために役に立つこともあるようです。

 離婚は当事者同士が非常に疲弊するという話をよく耳にしますので、夫婦円満が一番ですよね~。もちろん、新たな幸せを求める方がお互いにとって良い場合もありますので、なんとも言えないですけどね。

 本コラムはこれで今年最後です。皆さまにおかれましてもいろいろなことがあった1年だと思いますが、もうすぐ一区切りです。新年もよろしくお願いいたします。それでは、良いお年を~!! 

佐田友浩樹弁護士

佐田友浩樹弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

京都大学法学部を卒業後、大手家電メーカーで8年間の勤務の後、08年に司法試験に合格。10年に黒田法律事務所に入所後、中国広東省広州市にて3年間以上、日系企業向けに日中英の3カ国語でリーガルサービスを提供。13年8月より台湾常駐、台湾で唯一中国語のできる弁護士資格(日本)保有者。趣味は月2回のゴルフ(ハンデ25)と台湾B級グルメの食べ歩き。