リーガル

記事番号:T00048582
2014年2月13日15:45

 皆さん、こんにちは。黒田日本外国法事務弁護士事務所の顧問の佐田友です。

 2月14日はバレンタインデーですね~。日本では女性が男性にチョコを贈る日として、私が子どものころにはすっかり定着していましたが、チョコレート会社が仕掛けたキャンペーンから、このイベントは広まったと聞いています。結果的に、日本の一習慣を築いたという意味では画期的ですよね。すごい!!

 台湾のバレンタインデーは、「西洋情人節」としてカップルで食事したり、男性が女性に花を贈ったりするとのこと(もちろん一部の人に限られますよ)。街中を花束を持って歩く女性が増える日になるようです。

3日連続無断欠勤で解雇可能

 今日は台湾において無断欠勤を繰り返すような労働者を解雇する場合の根拠規定を紹介いたします。台湾の労働基準法では、「正当な理由なく3日間連続して無断欠勤、または1カ月間の無断欠勤が6日に達した場合」には、雇用主は予告せずに雇用契約を解除できるとされており、このような場合には解除に伴う解雇手当を支払う必要もありません。

 雇用主としては、正当な理由なしに無断欠勤するような労働者との雇用契約は早々に解除したいところですよね。しかし、このような明文規定があるので、労働者が2日間連続で無断欠勤しても、翌日出勤した場合には、さらにその翌日無断欠勤を繰り返したとしても、それだけで労働者を解雇できるわけではありません。

日本は明文規定なし

 ちなみに日本の法令には、無断欠勤に基づく解雇について明文の規定はないようです。もっとも労働契約法に「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を乱用したものとして、無効とする」という規定があり、本規定の解釈により「客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であると認められる」場合には解雇が可能といえ、無断欠勤に基づく解雇も認められます。

 そこで、日本では、無断欠勤がどの程度に至れば解雇できるのかを調べてみたのですが、古い行政通達を根拠に「原則として2週間以上正当な理由なく無断欠勤し、出勤の督促に応じない場合」に労働基準監督署長の認定により、対象労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇することができるとされているようです。

 もちろん、2週間に満たなくても、無断欠勤について注意しているのに何度も無断欠勤を繰り返すような場合に、解雇が認められる可能性はありますが、単純に比較すると日本の労働者の方が、台湾より手厚く保護されているといえますね。

 最後に一つ、少し細かいですが、役に立つ知識を紹介いたします。

 台湾の労働者の中には、上述の労働基準法の規定を悪用するやからもいるでしょう。例えば、今年の1月17日に無断欠勤をして、それから1月末にかけて合計で5日間、無断欠勤したものの、連続の無断欠勤は2日間だけで、3日目には出勤してきたというような労働者がいたとします。確かに1月だけみると、雇用主は対象の労働者を解雇できません。しかし、仮に対象の労働者が2月7日にも無断欠勤したのであれば、1月17日を起点として「1カ月間の無断欠勤が6日に達した」と解することができます(根拠は台湾の行政院労工委員会の解釈)。

 つまり、各月の無断欠勤の日数が問題なのではなく、無断欠勤日を起点とする1カ月で労働基準法の解雇事由該当性を判断することができますので、この点はよく覚えておいてくださいね~。 

佐田友浩樹弁護士

佐田友浩樹弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

京都大学法学部を卒業後、大手家電メーカーで8年間の勤務の後、08年に司法試験に合格。10年に黒田法律事務所に入所後、中国広東省広州市にて3年間以上、日系企業向けに日中英の3カ国語でリーガルサービスを提供。13年8月より台湾常駐、台湾で唯一中国語のできる弁護士資格(日本)保有者。趣味は月2回のゴルフ(ハンデ25)と台湾B級グルメの食べ歩き。