リーガル

記事番号:T00049394
2014年3月27日15:42

 皆さん、こんにちは。黒田日本外国法事務弁護士事務所の顧問の佐田友です。

 台湾でも暖かくなったと思えば、寒気団がやってきて寒くなったり、なかなか一気に春が来るわけではありませんね~。台湾の立法院の周りに集まっている学生などの映像を見ていると、屋外で夜を明かすのは非常に寒そうで、気の毒に感じました。ある新聞では火をたいて暖をとっている姿が報道されていましたよ。もちろん、中台サービス貿易協定の審議過程に不満の意を表明するために集まっている多くの人の気持ちは、熱く燃えているのは間違いないでしょうけど。

不適切食品の販促・広告を制限

 本日は、台湾の食品についての特徴的な法規制について紹介したいと思います。

 食品安全衛生管理法という法律に、慢性的な病気を招きやすい、または児童が長期間にわたり摂取するのが不適切な食品などについて、中央主管機関がその販売促進活動や広告を制限できるという規定があります。

 「慢性的な病気を招きやすい」食品について上記のような制限をするのは、慢性的な病気になる人が増えれば政府が負担する医療関連費用が増大して、政府予算に悪影響を与えることを防ぎたいためでしょうね。

 また、「児童が長期間にわたり摂取するのが不適当な」食品について上記のような制限をするのは、成人に比べ判断能力、自制心が未熟な(成人でもなかなか自制するのは難しいのは私も同じですので、そこは突っ込まないでくださいね~)児童が、日常的に一定の食品を摂取することで肥満や病気になるのを防ぐためであると思います。

 台湾も米国の影響が強いので、ファストフード、ジャンクフードを子どものころから好んで食べて(親がそれを許して)肥満児になってしまうパターンがあるんでしょうね。台湾は中国よりは太っている子どもが少ない気がしますが、これはあくまで私見です。中国は一人っ子政策のため、1人の子どもが6つの財布で支えられていると言われており(6つというのは、両親と、そのそれぞれの祖父母です。こういう子どもを指して「小皇帝」とよく言うんです)、甘やかされて育つ「小皇帝」の中には、太っちゃう子もいそうじゃないですか~。

 台湾では「児童が長期間にわたり摂取するのが不適当な」食品については、さらに政府(衛生福利部)が、広告や販売促進活動を管理する法律(草案)を昨年の11月に公表し、国民に対し同草案についての意見を広く求めました。ちなみに同草案には、「脂質」「トランス脂肪酸」「塩分」「糖質」などが一定の割合に達する食品については、子ども向けのテレビ番組でのCMが禁じられる規定や、玩具を提供するなどの方式の販売促進活動を行ってはならないという規定も設けられていました。この内容で正式に法律として成立するかは未定ですが、「脂質」や「塩分」が高いと思われるハンバーガーなどに子ども向けの景品をセットにして販売するという、日本ではおなじみの手法が台湾では行えなくなるかもしれません。

「国民栄養法」は未公布

 もっとも、2011年に「科学的証拠から明らかに肥満や高血圧を引き起こす食品」について、その販売促進活動、広告を制限できるとした規定を含む「国民栄養法」という法律の草案ができましたが、いまだに正式な法律として公布されていませんので、結局、上記法律についても成立するかは定かではありません。

 それでも、少なくとも法律を制定して子どもの健康を守ろうという意思は感じることができます。日本でも中高年に対してはメタボ検診を義務化するなど一定の努力がなされているのでしょうが、子どもを特に対象法律をつくろうという動きはまだないんじゃないですかね。たばこに関しては、未成年者喫煙防止のための法律がありますので、いずれは子どもの肥満防止について規定した法律が日本でもできるかもしれませんね~。ただ、私は小さいころ、野球カード欲しさにせっせとポテトチップスを買ってましたので、「そこまで法律で縛らなくてもなぁ」という気もしちゃいます(一定年齢以下の方には「何のこっちゃ」と思われるかもしれませんが、人気プロ野球選手の写真付きカードがおまけとしてついているポテトチップスがあったんです。今もあるのかなぁ…)。 

佐田友浩樹弁護士

佐田友浩樹弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

京都大学法学部を卒業後、大手家電メーカーで8年間の勤務の後、08年に司法試験に合格。10年に黒田法律事務所に入所後、中国広東省広州市にて3年間以上、日系企業向けに日中英の3カ国語でリーガルサービスを提供。13年8月より台湾常駐、台湾で唯一中国語のできる弁護士資格(日本)保有者。趣味は月2回のゴルフ(ハンデ25)と台湾B級グルメの食べ歩き。