リーガル

記事番号:T00049658
2014年4月10日15:55

 皆さん、こんにちは。黒田日本外国法事務弁護士事務所の顧問の佐田友です。今日は同性愛者の問題について取り上げます。

 台湾では、東南アジア最大規模の同性愛者のパレードが毎年あるという話を聞いて興味を抱いたからです。報道によれば2003年から始まったようで、当初はわずか500人程度の参加者だったのに、昨年10月のパレードには約6万人も参加したそうです。同性愛者の方々は、性的マイノリティにも目を向けて偏見や差別意識をなくしてもらいたいと考えてこのパレードに参加されているんじゃないですかね。すべての参加者が同性愛者であるわけではないでしょうが、相当な規模になっていると言えます。中にはわざわざ日本からこのパレードに参加する方もおられるようですね~。

 同性愛者の婚姻について、法的に認める国は少しずつ増えています(オランダ、ブラジル、フランス、カナダなど)が、台湾や日本では認められていません。

台湾は「男性と女性」が条件

 台湾の法律では、民法において、「婚約は男女の当事者が合意の上でなすものとする」という規定があったり、男性と女性が結婚して夫婦になることを前提にした規定があり、法律的には伝統的な考え方が維持されていることが分かります。

 昨年ですが、台湾で同性愛者のカップルの結婚が取り消されたというニュースがあったので紹介しますね(同性愛者は結婚できないのと違うの?と思われるかもしれませんが、まあ読んでみてください)。

 もともと生物学的には男性同士のあるカップルが、2人ともやはり女性として生きたいということで性転換手術を受けたそうです。そして、そのうちの1人のみが役所で性別変更の申請をして受理され、まず女性になりました。その結果、パートナーとの関係が戸籍上は「男女」になったことから2人は法的な結婚をすることができました。しかしその後、戸籍上は男性であった方が、やはり役所で性別変更申請を行って女性になったんですね。こうして女性同士による婚姻という状態となったので、内政部は、民法上、婚姻は男性と女性によるものであるとして結婚登記を取り消してしまったのですね。

同性愛者の婚姻、認める動きも

 このような事件もあったのですが、実は台湾では、同性愛者の婚姻を認める内容の「多様性のある結婚」関連の法律を制定する動きがあります(立法院での審議もされたようです)。ただ一方で、この動きに反対する人も多くいるようで、一部の宗教団体などが総統府前に集まったという報道もありました。

 反対派の人たちがどのような主張をしているのかは知りませんが、個人的には多様性、違いは尊重されてよいように思います。少数派の声も尊重することが時代の趨勢で、同性愛者の方にとっても暮らしやすい社会を、非同性愛者も含めて作っていかないといけないでしょうから。 

佐田友浩樹弁護士

佐田友浩樹弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

京都大学法学部を卒業後、大手家電メーカーで8年間の勤務の後、08年に司法試験に合格。10年に黒田法律事務所に入所後、中国広東省広州市にて3年間以上、日系企業向けに日中英の3カ国語でリーガルサービスを提供。13年8月より台湾常駐、台湾で唯一中国語のできる弁護士資格(日本)保有者。趣味は月2回のゴルフ(ハンデ25)と台湾B級グルメの食べ歩き。