リーガル

記事番号:T00049938
2014年4月24日15:45

 皆さん、こんにちは。黒田日本外国法事務弁護士事務所の顧問の佐田友です。

 先日、台湾に来て初めて食べ物にあたってしまったようで、お腹をひどく壊してしまいました。特に夜市(ナイト・マーケット)や屋台でいろいろ食べ歩いたわけではなかったですし、何にあたったかはよく分かりません。

 このような食中毒は高校の修学旅行で集団食中毒に遭ったのが最初で、その後も日本、中国で何度か味わっていますが、毎回、つらいものがあります。

 ただ、かきにあたったことがないのが不幸中の幸いです。かきにあたると相当ひどいと聞きますので。食中毒は、なかなか防ぎにくいものですが、皆さまもお気を付けくださいね~。

 さて、今回と次回は「姓」、つまり名字についての法規が、台湾は日本と異なっていて面白いと思いましたので、紹介します。

台湾は夫婦別姓が原則

 日本では結婚すると、「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫または妻の氏を称する」という規定が民法にあり、夫婦が同姓であるのが当たり前ですよね。つまり、夫婦別姓は現状、法律で認められていません。そして、現実的には、妻が夫の姓に改める例が圧倒的多数です。

 夫婦別姓を求める動きも、女性の社会進出が当然になっている現代ではもちろんあるのですが、なかなか法改正というところまで進んでいないのが日本の現状だと思います。

 では、共働き夫婦が多く、さらに女性の社会進出が盛んな台湾では、結婚に際して、姓はどのように扱われるのでしょうか。

 実は、台湾では結婚しても夫婦は別姓というのが原則です。台湾の民法において、「夫婦は、各自の姓を保持するが、当事者が、配偶者である夫または妻の姓を冠して、これを戸籍管理機関に書面で登記する場合はこの限りでない」との規定があります。原則的には夫婦別姓ですが、例外的に戸籍管理機関において書面で登記した場合、配偶者である夫または妻の姓を冠することができるということです。

 この「配偶者である夫または妻の姓を冠する」というのは、例えば、男性の諸葛孔明さんと女性の愛新覚羅雅淳(あいしんかくらがじゅん)さんが結婚し、妻が夫の姓を冠するという選択をしたとします。そうすると、この女性の姓は「諸葛愛新覚羅」になるということです。まあ、愛新覚羅という姓の台湾人はいないでしょうが、諸葛愛新覚羅雅淳さんという名前の人がいたらびっくりですよね!!

「冠姓」は少数派に

 この配偶者の姓を冠する「冠姓」という制度ですが、以前の台湾の民法では、婚姻の象徴として原則扱いされていました(例外として、当事者が別に取り決めをした場合はその取り決めに従うとされていた)が、実際は「冠姓」より従来の姓を保持する夫婦の方が多かったようで、後に法改正がなされました。

 最近の状況についてですが、台湾の夫婦は結婚しても自身の姓をそのまま保持するケースがやはり多いようです。

 このように台湾の夫婦は、結婚に際して、どちらの姓を選択するかという悩みはないといえると思います。では、夫婦別姓であるとすると、子どもの姓は、どのように決められるのでしょうか。この点については、なかなかユニークな規定が台湾の法律にありますので、次回のコラムで紹介しますね~。 

佐田友浩樹弁護士

佐田友浩樹弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

京都大学法学部を卒業後、大手家電メーカーで8年間の勤務の後、08年に司法試験に合格。10年に黒田法律事務所に入所後、中国広東省広州市にて3年間以上、日系企業向けに日中英の3カ国語でリーガルサービスを提供。13年8月より台湾常駐、台湾で唯一中国語のできる弁護士資格(日本)保有者。趣味は月2回のゴルフ(ハンデ25)と台湾B級グルメの食べ歩き。