リーガル

記事番号:T00051836
2014年7月31日15:19

 皆さん、こんにちは。黒田日本外国法事務弁護士事務所の顧問の佐田友です。 

 先週は水曜日に台風が台湾を通過して、台湾全土で台風休暇(停班停課)となりましたね~。私が台湾にやってきたのは昨年の8月なんですが、停班停課はこれで2回目の経験です。日本ではよほどのことがない限り、台風でも公共機関はお休みしませんが、台湾では少しでも台風による被害を抑えようとしてこのような仕組みができたのかもしれませんね。

 その一方で、復興航空(トランスアジア・エアウェイズ)旅客機が墜落したというニュースを聞いたときには、やはり台風の影響であると思わざるを得ませんでした。台湾全土を停班停課にするような日に、もう少しリスクを考えてフライトを遅らせる、あるいは中止する判断ができなかったのかと思うと残念でなりません。自然現象はコントロールできないですもんね~。自然の猛威はおとなしく過ぎ去るのを待つしかないですよね。亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。

 さて本日は、飛行機事故と同様に、先週大きく話題になった米国系中国法人が期限切れ食肉を販売した不祥事について取り上げてみます。

絶えない食品偽装

 報道によりますと、上海福喜食品という会社が製造日を改ざんして期限切れの肉を外資系大手ファストフード業者に供給し、日本のマクドナルドやファミリーマートなども供給先に含まれていたとのことで、日本の消費者も相当に気分が悪い問題ですよね(台湾のマクドナルドなどのファストフード業者には供給されていなかったようです)。しかも、同社は会社ぐるみで不正を行っていた可能性もあるようです。

 正直、「またか」という思いに駆られます。このような食品に関する問題は、中国で多いイメージもありますが、日本でも台湾でも起きています。真面目に食品を製造している会社がほとんどであると信じたいですが、食品会社が現在の競争社会の中で、安価に食品を販売していく必要に迫られる状況が変わるとも思えないため、食品に関する問題は簡単にはなくならないのかと思うと悲しい気持ちになります。

 台湾では大統長基食品廠が食用油の成分を偽り、添加が禁じられている銅クロロフィルなどを混ぜて販売していた事件の裁判が終結し、同社の董事長については詐欺、偽装表示、食品衛生管理法違反などの罪で懲役12年の判決が確定したというニュースがありました。起訴事実を認め、取引先との和解なども進めているとのことで多少の減刑がなされたようですが、消費者を「何を信用すればよいのか分からない」という心理にさせた責任は大きいと考えます。この事件以外にもベーカリーチェーン「パン達人手感烘焙(トップ・ポット・ベーカリー)」の問題などもありましたが。

 台湾でも「食の安全」は非常に大きな関心事になっていますし、食について関心の高い人は、有機食品の店を利用されていますが、「有機食品だからって本当に大丈夫なのかな。これも不当表示かも…」って疑心暗鬼状態になっちゃいますよね。

コンプライアンス体制の強化を

 今回の上海福喜食品の問題については、同社の工場で昨年まで品質管理を担当していた従業員が「製造日の改ざん」について内部告発したものの、逆に同社によって退職に追い込まれ、退職後に訴訟で争ったという内容の報道もありました。現地法人の内部告発が親会社に届かず、もみ消された結果、問題が大きくなってしまうということは中国に限らず、台湾でも十分にあり得ることだと思います。皆さまの会社では、内部告発についてどのように処理されていますか?もちろん、適切に処理されていればよいですが、外部通報窓口の設置を検討いただくのも一考の価値があると思います。

 この上海福喜食品の問題を他人事とせず、台湾においても再度、コンプライアンスについて一度きちんと考えてみられてはいかがでしょうか。「私の会社に限って問題はないはず」と思われるかもしれませんが、定期的にコンプライアンスに関する監査、チェックを行われることをお勧めしますよ~。 

佐田友浩樹弁護士

佐田友浩樹弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

京都大学法学部を卒業後、大手家電メーカーで8年間の勤務の後、08年に司法試験に合格。10年に黒田法律事務所に入所後、中国広東省広州市にて3年間以上、日系企業向けに日中英の3カ国語でリーガルサービスを提供。13年8月より台湾常駐、台湾で唯一中国語のできる弁護士資格(日本)保有者。趣味は月2回のゴルフ(ハンデ25)と台湾B級グルメの食べ歩き。