リーガル

記事番号:T00052294
2014年8月25日16:10

 行政院金融監督管理委員会(金管会)は8月中旬、「国際的に通用する電子票証(電子マネー機能付きICカード)または海外機構と提携して電子票証を発行することについての審査基準および管理規則」(以下、「本規則」)の改正を行った。台湾の電子票証業者と海外の業者との提携条件が緩和され、台湾の消費者は将来、外国で台湾の電子票証を直接利用することが可能になるだろう。

 電子票証発行管理条例第3条の規定によれば、「電子票証」とは、電子、磁気または光学の形式により金銭的価値を保存し、かつデータの保存または計算機能を含むICカード、証憑またはその他の形式の媒体で、多用途の支払いに利用されるツールをいう。簡単にいうと、金銭的価値保存機能を有する電子カードであり、かつ現金による支払いと同等の機能を有する。現在、金管会が許可・発行する台湾の電子票証は台湾にいる外国人にも非常によく知られており、台北都市交通システム(MRT)に乗る際にとても便利な「悠遊カード(イージーカード)」、およびセブン-イレブンのicashカードなどがある。

海外業者への規制撤廃

 本規則第3条の従来の規制では、台湾の電子票証業者が海外の同業と提携する際、当該国の業者は国際電子票証を1年以上発行している業務実績が必須だった。ただし、そうなると、例えば香港の「オクトパス(八達通)」またはシンガポールの「イージーリンク」は発行から何年もたっているが、現地でしか利用できず、「国際」電子票証ではないため、本規則の規定に合致しない。

 このため、金管会がこの規制を撤廃することで、台湾の電子票証業者は外国の業者と提携することが可能になる。メディアの報道によれば、悠遊カードの会社は先手を打って香港の「オクトパス」およびシンガポールの「イージーリンク」と提携する見込みで、将来的に台湾の悠遊カードは香港、シンガポールで直接利用することができるようになる(外国の電子票証を台湾で利用することについてはまだ開放されていない)見通しだ。

 電子票証は便利に利用できるので、台湾、日本では既に広く利用されている。法規も緩和されており、将来的に日本で悠遊カードを利用することも夢ではなくなってきている。弊所としても、日本の「Suica(スイカ)」などの電子票証業者に台湾の業者との提携を検討し、ビジネスチャンスを勝ち取ることをお勧めする。 

*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は弊事務所にご相談下さい。

黒田法律事務所・黒田特許事務所

1995年に設立、現在日本、台湾、中国の3カ所に拠点を持ち、中国法務に強い。 現在、13名の弁護士、6名の中国弁護士、2名の台湾弁護士、1名の米国弁護士及び代表弁護士を含む2名の弁理士が在籍しており、執務体制も厚い。
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蘇逸修弁護士

蘇逸修弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

台湾大学法律学科、同大学院修士課程法律学科を卒業後、法務部調査局に入局。板橋地方検察署で、検事として犯罪調査課、法廷訴訟課、刑事執行課などの業務を歴任。2011年より黒田法律事務所にて弁護士として活躍中。