リーガル

記事番号:T00052508
2014年9月4日15:36

 皆さん、こんにちは。黒田日本外国法事務弁護士事務所の顧問の佐田友です。

 先日、5年ぶりに台北近郊の淡水まで出掛けてきましたよ。よい天気だったので「きれいな夕焼けが見えるかもしれない」と期待して、妻を連れて行ってきました~。到着してすぐは太陽が見えていたのですが、少しすると雲に隠れてしまったので、残念ながら夕焼けはそこまで楽しめなかったです。しかし、台北都市交通システム(MRT)淡水駅近くの川沿いは公園のように整備されており、5年前とは違って歩きやすくなっているような気がしました。店を冷やかしつつ歩き、対岸の八里に渡ったりして、淡水の魅力の一端に触れることができました。次は、少し涼しくなった時期に、周辺エリアも含めて散策し、「阿給」(淡水名物!!)なども食してみたいと思います。

パスポートにも記載可

 さて、今回は「台湾人の英語ネーム」について書いてみます。

 皆さんの職場におられる台湾人の方は、英語ネームで呼ばれていますか?私が知っている何人かの台湾人も「Joseph」や「Henry」といった名前を使っています。

 ただ、このような英語ネームは、特に法律上、使うことが義務付けられているものではないんですね。子供のころに英語の授業(学校か塾)で英語の名前を使う際に、先生や親に決められることが多いそうです。そして、その名前を自分の通称として使い続けているようで(本人が気に入らなければ、特に手続き不要で変更できるそうです)、パスポートにもその通称を記載することができるんですって。台湾人のパスポートには「護照條例施行細則」という法規に基づき、自分の漢字名を基にした英語表記(中国語名の読み方から翻訳しなければならないとされている)の記載が必須とされていますが、これに加えて、通称としての英語ネームをパスポートに記載できるんですね~。パスポートという公的な身分証明資料に自分の本当の名前以外の通称を記載できるのは面白いですよね~。

 ちなみに私が話を聞いた同僚は、まだ20代半ばと若いこともあり、幼稚園時代に英語教育を受け始め、そのころから英語ネームを使い始めたとのことでした。

 台湾全体で見て、いつごろからこのような通称を使い始めたか興味深いところですが、その同僚が親から聞いた話によれば、彼女の父母の世代(1960年代前後生まれの世代)は、中学生のときに英語の授業は既にあったとのことですが、週2、3回くらいで特に重点科目とされていたわけではなく、英語ネームも持っていなかったらしいです。ただ、彼女の父母の世代も、最近ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などを利用する際に英語ネームを使っているそうなので、英語ネームを使うことは特別なことではないようですね~。

外国人の名字選択、制限が緩和

 一方で、外国人が台湾人と結婚した場合などに、少し前まで台湾固有の名字を選択して登録しなければならなかったことをご存知でしょうか。例えば、日本人の「田中伸二」さんが、台湾人と結婚したとします。田中さんが自分の名字を台湾で登録しようとしても、台湾には「田中」という名字が存在しないため、「田中」という名字のままでは以前は登録できなかったんですね。そこで、やむを得ず、名字を「田」としたり、妻の名字や全く他の名字の「陳」や「王」などの名字を選択して登録するしかなかったのです。
現在は少し状況が改善され、辞書の中にある漢字であればよいことになり、「田中」という名字でも登録可能になっています(12年の内政部解釈により運用が変更されました)。

 ちなみに、内政部のホームページには中国語名を選択する上での興味深い注意書きが記載されており、「品位に欠ける意味を持つ文字を使用しないようにしてください」とされ、例示として「猪角(豚の角)」「蝦(エビ)」「色(わいせつ)」などが挙げられていました。「色(わいせつ)」はまあ分かるとして、「猪角(豚の角)」「蝦(エビ)」って品位に欠ける意味を持つ文字なんですね~。ちょっと面白かったので、ついでにご紹介いたしました。 

佐田友浩樹弁護士

佐田友浩樹弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

京都大学法学部を卒業後、大手家電メーカーで8年間の勤務の後、08年に司法試験に合格。10年に黒田法律事務所に入所後、中国広東省広州市にて3年間以上、日系企業向けに日中英の3カ国語でリーガルサービスを提供。13年8月より台湾常駐、台湾で唯一中国語のできる弁護士資格(日本)保有者。趣味は月2回のゴルフ(ハンデ25)と台湾B級グルメの食べ歩き。