リーガル

記事番号:T00052747
2014年9月18日15:30

 皆さん、こんにちは。黒田日本外国法事務弁護士事務所の顧問の佐田友です。

 少し前になりますが、広島県人会の集まりに参加しましたよ~。交流協会や企業の方以外にも、広島大学に留学されていた台湾人の方、台湾人と結婚されて台湾に暮らしておられる女性なども参加されており、非常に楽しい時間を過ごすことができました。もちろん、多くは広島カープファンで、ある女性は、なんとカープのユニフォームまで持参され、最近はやりの「カープ女子」っぷりをアピールされていました!!中年カープファンの私としては、最近のカープファンの関東などでの広がり(神宮球場や横浜スタジアムの左翼席はとんでもなく真っ赤になっています)には隔世の感がありますね~。昨年に引き続いて今シーズンも緊張感のある試合が多く見られるのでうれしい限りです。

 さて、今回は交通事故対応について書いてみます。台湾では交通事故が日常茶飯事だと言っても過言ではないことは皆さまもよくご存じだと思います。しかも、運転が荒かったり、不注意なドライバーもそれなりにいるので、自分が十分に注意していても事故に巻き込まれてしまうリスクが常にあるんですよね~。

まずは現場状況を記録

 そこで万が一、事故に遭った場合ですが、まず警察を呼び、現場の記録をしてもらうようにしましょう。警察が作成した、事故の現場の図(中国語「事故現場圖」)および現場の写真(中国語「事故現場照片」)について、一定期間後に被害者自身が警察に申請することで取得可能です。また、「道路交通事故の初歩的な分析判断表(中国語「道路交通事故初步分析研判表」)という資料も、後日、警察が作成するので取得するようにしてください。当該資料には事故の過失責任に関する初歩的な判断結果が記載されており、仮に加害者と賠償について合意できず裁判で争うような場合には、当該資料は有力な証拠となります。

 台湾においては車やバイクを所有する場合、強制汽車責任保険法という法律(日本でいうところの自動車損害賠償保障法)に基づき、所有者が原則として保険に加入しなければならないとされています。しかし、同保険の賠償金額は死亡事故の場合における損害賠償で1人当たり200万台湾元にすぎず(ちなみに日本の自賠責では1人当たり3,000万円が限度とされています)、損害全てがこの強制加入の保険で賄えるものではありません。加害者が賠償無制限の任意保険に加入している場合はよいですが、加入していない場合、強制加入の保険で賄えない損害について、加害者本人に責任追及していくことになります。加えて、加害者が仕事中に事故を起こした場合などは当該加害者を雇用している会社に対しても被用者との連帯責任を追及することが可能ですので、加害者について業務の一環で運転していたかの確認もしておくことをお勧めいたします。

正式文書で損害賠償要求を

 事故の被害者になってしまった場合、加害者が損害賠償に協力的に応じてくれればよいのですが、損害金額によっては加害者が金銭の支払いを渋るケースも十分にあり得ます。そのようなケースにおいては、上述の道路交通事故の初歩的な分析判断表にて、加害者の過失の有無を確認し、加害者の過失が確認できた場合、正式な文書(例えば、内容証明郵便)で損害賠償を要求しましょう。そして、相手側の対応によって、和解交渉を行うかあるいは訴訟という手段に訴えるか決めるということでよいと思われます。

 一通りの事故対応について紹介しましたが、事故に遭わないのがやっぱり一番ですので、歩行者の方は青信号の横断歩道を渡る場合でも細心の注意を払って横断するようにしましょうね~。ドライバーの方も徐々に台湾での運転に慣れていかれるのでしょうが、できるだけ事故に巻き込まれないよう、くれぐれもご注意くださ~い!! 

佐田友浩樹弁護士

佐田友浩樹弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

京都大学法学部を卒業後、大手家電メーカーで8年間の勤務の後、08年に司法試験に合格。10年に黒田法律事務所に入所後、中国広東省広州市にて3年間以上、日系企業向けに日中英の3カ国語でリーガルサービスを提供。13年8月より台湾常駐、台湾で唯一中国語のできる弁護士資格(日本)保有者。趣味は月2回のゴルフ(ハンデ25)と台湾B級グルメの食べ歩き。