リーガル

記事番号:T00054598
2014年12月25日15:41

 皆さん、こんにちは。黒田日本外国法事務弁護士事務所の顧問の佐田友です。

 早いもので、2014年ももうすぐ終わります。私の以前の習慣であった、年越しそばを家族で食べながら紅白歌合戦を見て、雪の中、初詣に出かけ、おみくじを引き、お雑煮を頂くというような過ごし方を何年もしなくなって、昔の習慣に懐かしさを覚えてしまいます。

 こちらで知り合った単身生活の長い大先輩などは、年始用のおせち料理を自分で毎年作られるそうです。黒豆などの手間のかかる料理もしっかり作られるそうで、なかなかまねできるものではありません。おせちといえば、私の実家のおせちには、「くわい」という縁起物(芽が出た形状から「めでたい」につながるとのこと)が入っていました。日常的に食べる野菜ではなかったのですが、お正月には食べていたので、この時期になると思い出します。台湾ではまだ見かけていないので、日本にしかないのかもしれませんね~。

改正のハードルは高い

 さて、本日は、最近ちょっとした話題になっている「憲法改正」について書いてみます。

 先の統一地方選後、朱立倫新北市長が議員内閣制の導入を将来的に目指すというニュースが大きく取り上げられたので、耳にされた方もおられると思いますが、議員内閣制を導入するには普通に考えれば憲法改正が必要になってきます。

 台湾の憲法改正は、まず立法院の段階があります。立法委員の4分の1以上でもって憲法改正案の提案がなされ、その後、4分の3以上の立法委員の出席の上、さらに出席議員の4分の3以上の賛成で議決されて初めて次の公民投票(国民投票)段階に進みます。そして、公民投票の結果、過半数の同意を得てやっと憲法改正ができるんですね~。台湾の憲法もなかなか改正が困難であるといえます(このような改正が困難な憲法を「硬性憲法」と呼んだりします)。

 もともとの台湾の憲法には、国民大会という今は存在しない機関で憲法改正の議決をするか、あるいは、立法院で議決した後に、再度、国民大会で議決するという二つの改正手続が規定されていました。しかし、国民大会は民主化の現実との乖離(かいり)が大きくなってしまったことから、05年に廃止され、憲法改正手続についても上記のようなものに変更され(当該変更も憲法改正手続を経て成立しました)、全国民が最終的に憲法改正の是非を判断する投票を行う仕組みになったのです。

 ただし、過去の憲法改正は、憲法の本文自体が改正されるのではなく、条文を追加する形式で行われていました。なぜもともとの条文を削除しないかは私にもよく分かりませんが、形式上、既に存在しない国民大会に関する規定もそのまま残されているんですね~。

日本も国民投票を経る必要

 ちなみに、日本国憲法の改正には、まず、各議院(つまり、衆議院と参議院)の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が改正案を発議する必要があります。そして、国民の過半数の賛成を得て初めて憲法が改正できるのです。台湾とどちらがより改正が難しいかは比較しにくいですが、いずれも厳しいといえそうですね~。かたや「立法院の立法委員の4分の3以上の出席」が必要という点で台湾も非常に厳しいですし、実際に「総議員の3分の2以上の賛成」を得る必要がある日本も厳しいです。そして、最終的に国民投票を経る必要がある点も厳しい要件の一つといえますよね。

 このように憲法改正が難しく、いまだかつて憲法改正を行ったことがない日本でも安倍首相が、「憲法改正が悲願である」ことを認めたというニュースが最近ありました。現状の政治状況が続けば、比較的近い将来に自民党や公明党などの議員が主導して憲法改正の発議が行われ、日本で国民投票が行われるという日が来るかもしれませんね~。 

佐田友浩樹弁護士

佐田友浩樹弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

京都大学法学部を卒業後、大手家電メーカーで8年間の勤務の後、08年に司法試験に合格。10年に黒田法律事務所に入所後、中国広東省広州市にて3年間以上、日系企業向けに日中英の3カ国語でリーガルサービスを提供。13年8月より台湾常駐、台湾で唯一中国語のできる弁護士資格(日本)保有者。趣味は月2回のゴルフ(ハンデ25)と台湾B級グルメの食べ歩き。