リーガル

記事番号:T00055177
2015年1月29日15:51

 皆さん、こんにちは。黒田日本外国法事務弁護士事務所の顧問の佐田友です。

 先日、久しぶりにジョギングをしたのですが、まだ行ったことのなかった象山(台北101のビュースポットとして台北市民に親しまれている小山です)に登ってみることにしました。都市交通システム(MRT)の象山駅の近くで登山口の案内を見つけて登り始めたところ、歩道としてはきれいに整備されているのですが、その階段の急なこと、急なこと。6つの大きな岩があるビュースポットまで息も絶え絶えという感じでなんとかたどり着き、頂上まで行くのは断念しちゃいましたが、そのポイントから見える台北101を含む台北市内の風景もかなり素晴らしいものでしたよ~。後で調べたところ、私が登った登山口以外に比較的時間をかけて象山に登れる登山口があるとのこと。健脚の方以外は、こちらをお勧めいたします。

食品安全衛生管理法による加入義務

 さて、本日は、先週取り上げました製造物責任とも少し関連するのですが、台湾では食品を製造している業者に対し、「身体を損なう」ような事例が起きてしまうことに備えた保険への加入義務が課されていることを知り、驚いたもので、本コラムに取り上げることといたしました。ちなみに、日本では、自主的に保険に加入している会社はあるかもしれませんが、法的に食品業者に保険加入を義務付けてまではいないと思われます。

 当該義務が規定されている法律は、食品安全衛生管理法という法律で、同法において「中央主管機関により公告される種類および規模の食品業者は、製品の責任保険に加入しなければならない」とされています。

最低保険金額は1人当たり100万元

 そこで、中央主管機関の公告を探し、どのような食品業者に保険加入が義務付けられているか確認したところ、「商業登記または会社登記を具備している食品産業」(製造業者、輸入業者、他の工場に製品の提供を委託している者も含む)業者が対象とされており、当該業者に対して、事前にその製品の責任保険の加入を済ませることを義務付けています。

 同公告においては、他にも「身体を損なう」(中文では「身體傷害」です)場合などの最低保険金額が、例えば、1人の身体傷害ごとに100万台湾元などと具体的に規定されています。ここでいう「身体を損なう」という行為は、異物を混入させた食品を販売したり、傷んだ材料などを使った食品などを提供し食中毒などを起こし、最悪のケースでは死に至らしめることなどを想定していると考えられます。

ラーメン屋も対象

 「商業登記または会社登記を具備している食品産業」に会社登記をしているラーメン屋さんや、定食屋さん、居酒屋、喫茶店などが含まれるか気になるところですが、「含まれる」というのが政府部門の見解のようです。

 よって、これらラーメン屋さんなども会社登記をしていれば(多くの飲食店は会社登記していると思われます)、食品業者として保険に加入しなければならず、加入していない場合、食品安全衛生管理法所定の罰則である、3万元以上300万元以下の罰金に処せられ、情状が悪い場合には、一定期間の業務停止や食品業者としての登録を廃止されたりする可能性すらあるようです。

 実際の運用では、そこまで厳しくチェックされていないのかもしれませんが、飲食業者の方はご注意くださいね~。 

佐田友浩樹弁護士

佐田友浩樹弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

京都大学法学部を卒業後、大手家電メーカーで8年間の勤務の後、08年に司法試験に合格。10年に黒田法律事務所に入所後、中国広東省広州市にて3年間以上、日系企業向けに日中英の3カ国語でリーガルサービスを提供。13年8月より台湾常駐、台湾で唯一中国語のできる弁護士資格(日本)保有者。趣味は月2回のゴルフ(ハンデ25)と台湾B級グルメの食べ歩き。