リーガル

記事番号:T00056443
2015年4月16日15:44

 皆さん、こんにちは。黒田日本外国法事務弁護士事務所の顧問の佐田友です。

 先日、健康診断で受ける検査の関係で、午後6時より前に食事する必要があり、事務所の近くの嘉義鶏肉飯の店で早めの夕食をいただきました。店は会社帰りの方なのか分かりませんが、ほぼ満席で多くの台湾人が食事をしていました。そこで、「台湾の人って、こんな早く晩ご飯を食べて、夜にお腹が空かないのかなぁ」って素朴な疑問が生じてきました。このように早く晩ご飯を食べる台湾人の方は、夜は夜で夜市に行って軽く麺などを食べたり、あるいは自宅でお菓子などを食べるんですかね~?それともこのような方は皆さん、午後9時や10時には床に就かれて、朝5時とか6時に起床されるのでしょうか。今度、台湾人の方とよもやま話をするときに意見を聞いてみたいと思います。もしかすると、「知らないの?台湾人は1日4食が普通だよ~」とか言われちゃったりするかもしれませんね(笑)。

日本より細かい規定

 さて、本日ですが、起訴猶予処分についての刑事訴訟法の規定が台湾と日本では異なり、台湾の方が詳細に規定されてあり面白いと思いましたので紹介させていただきます。

 そもそも起訴猶予処分とはどのような処分のことか、まず説明いたしますと、日本でも台湾でも犯罪の嫌疑がある被疑者について起訴を行うのは主に検察官なのですが、一定の場合、犯罪が成立していたとしても検察官がさまざまな事情を考慮して起訴をしないということがあるんですね~。このような検察官が自らの裁量で、起訴しないことを「起訴猶予処分」といいます。

 日本の刑事訴訟法では、起訴猶予処分に関して、シンプルに「犯人の性格、年齢および境遇、犯罪の軽重および情状並びに犯罪後の状況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる」と規定されています。

 これに対して台湾では、死刑、無期懲役または最も軽い刑が3年以上の有期懲役以外の罪の被疑者に対し、刑法に規定のある処罰を行う際に斟酌(しんしゃく)すべき事項および公共の利益保護を斟酌して、起訴猶予処分とするのが適当である場合に、1年以上3年以下の起訴猶予期間を定めることができるとされています。日本では、どの程度の刑の重さの場合に起訴猶予処分とすることが可能か特に明確にされていませんし、起訴猶予期間についても具体的に定めることはないので、これらの点は日本と台湾で異なります。

誠意と資金力

 それから、台湾では検察官が起訴猶予処分とする場合に、被告に対し一定期間内に順守、履行を命じることができる事項が刑事訴訟法上、列挙されており、具体的には「被害者に対する謝罪」「反省文を書く」「被害者に対する損害賠償」「一定時間の奉仕労働」などです。台湾人の同僚によれば、実務上も、検察官が起訴猶予処分とするに当たり、通常、被疑者が被害者に謝罪(あるいは賠償)を行い、反省文を書き、公益団体に一定金額(通常は5万台湾元から10万元の間)を寄付するという条件をクリアする必要があるとのことでした。

 これだけの誠意を見せることが起訴猶予処分のために必要なことは理解できます。ただ、それなりの資金力がなければ起訴を猶予してもらえないため、台湾では経済的に豊かな被疑者は比較的、起訴猶予を得られやすい一面、資金力に乏しい人にとっては起訴猶予のためのハードルが日本より高いといえるかもしれません。

佐田友浩樹弁護士

佐田友浩樹弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

京都大学法学部を卒業後、大手家電メーカーで8年間の勤務の後、08年に司法試験に合格。10年に黒田法律事務所に入所後、中国広東省広州市にて3年間以上、日系企業向けに日中英の3カ国語でリーガルサービスを提供。13年8月より台湾常駐、台湾で唯一中国語のできる弁護士資格(日本)保有者。趣味は月2回のゴルフ(ハンデ25)と台湾B級グルメの食べ歩き。