リーガル

記事番号:T00057729
2015年6月25日15:35

 皆さん、こんにちは。黒田日本外国法事務弁護士事務所の顧問の佐田友です。

 先日、台北市の花博公園において開催されていた日本の地方を台湾の方にPRするイベントをのぞいてきました。参加されていたのは静岡県や岩手県、愛媛県、広島県などさまざまで、ゆるキャラを登場させたり、名産品を販売したり、祭りの踊りを実演したり、あの手この手で魅力をPRしておられました。ゆるキャラは中に入る人は大変なのでしょうが、ユーモラスなキャラクターは台湾でも大人気でしたよ。特に小さな子どもは大はしゃぎで、ゆるキャラをしっかり抱きしめて離さない子どももいましたね~。私の地元である広島県のブースでは、広島カープのビジターの真っ赤なユニホームを着て写真撮影する台湾の方がたくさんおられました。陽岱鋼のいる日本ハムファイターズの知名度が高いのは知っていましたが、昨今の日本の流行(カープ女子フィーバー)を追い掛けている方がおられるんですかね??広島県の観光課の方も、「自分達で着るために持ってきたのに、こんなことになるとは」とびっくりしておられました。

嫌がらせは罪に問われる?

 今回は、「不倫」に関わる話を取り上げてみたいと思います。「ドキッ」とした方、いませんよね??(笑)

 私が以前に駐在していた中国や、現在居住している台湾でも、家族を日本に残し単身赴任されている男性が現地の女性と不倫してしまうという話を時々耳にします。

 そのまま日本の妻と離婚し、現地の女性と結婚するという例ももちろんありますが、現地の女性との間で別れ話がもつれ、会社に不倫関係を暴露するファクスが大量に送付されてきたというような話を聞かれたことがある方もおられると思います。このような行為は何らかの犯罪にならないのでしょうか。

 この点、台湾でも日本でも不倫関係を暴露するファクスやメールを不特定多数の人に送付した場合、名誉棄損罪に該当する可能性があります。会社にファクスを送り付ける場合や、フェイスブック上の複数の友人へのメッセージ送付についても、「不特定多数の人に送付」に該当すると考えられます。

 不倫当事者のうちの一人が関係のもつれから他方当事者に対する嫌がらせとして、会社にファクスを送り付ける行為に及ぶことがありますが、これも犯罪行為になる可能性があります。ただし犯罪といっても、台湾でも日本でも告訴がなければ成立しない犯罪ではあります。また、「犯罪だからやめろ」と言っても人によっては全く聞く耳を持たないでしょうから、嫌がらせを受ける側の精神的な打撃は大きなものになると思われます。

台湾で不倫は犯罪行為

 台湾において日本と異なるのは、不倫自体が台湾では姦通罪という犯罪行為に該当し得るという点です。不倫の当事者が日本人男性(既婚者)と台湾人女性(独身)である場合には、日本人男性の妻が告訴権者となり、その妻からの告訴があれば、不倫の当事者は台湾では姦通罪に問われる可能性があります(姦通罪については、本コラムの第7回で取り上げましたので、興味がある方は見てみてください)。つまり最悪の場合、不倫を暴露した人は姦通罪と名誉棄損罪という2つの罪に問われる可能性があると言えますね~。

 その他、不倫で問題になる点として、不倫関係の解消に伴い一方当事者が慰謝料などの名目で金銭を他方当事者に要求するケースがあります。このような要求について裁判で争ったとしても、日本では原則として認められません。その理由は不倫関係は法的保護に値しないからです。

 これは、不倫が犯罪である台湾においても同様のようです。ただし、裁判で争えないからといって要求を放置してしまうと、場合によっては刃傷沙汰にもなりかねませんので、代理人を立てて話し合うなどして一定の金銭のやりとりをする方が穏便に事態を収束できるのではないでしょうか。

 いずれにしろ、トラブルに巻き込まれないのが一番です。多くの方には全く関係ない話でしょうが、他山の石としていただければよいと考え、本日は不倫に関わるお話を紹介いたしました。 

佐田友浩樹弁護士

佐田友浩樹弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

京都大学法学部を卒業後、大手家電メーカーで8年間の勤務の後、08年に司法試験に合格。10年に黒田法律事務所に入所後、中国広東省広州市にて3年間以上、日系企業向けに日中英の3カ国語でリーガルサービスを提供。13年8月より台湾常駐、台湾で唯一中国語のできる弁護士資格(日本)保有者。趣味は月2回のゴルフ(ハンデ25)と台湾B級グルメの食べ歩き。