リーガル

記事番号:T00058003
2015年7月9日15:56

 皆さん、こんにちは。黒田日本外国法事務弁護士事務所の顧問の佐田友です。

 少し前のことになりますが、台湾のゴルフの歴史について説明するボードが台北市の青年公園(台北市万華区)にあるのを見つけました。1918年に当時台湾を統治していた日本政府の関係者(名前は忘れました…)がフィリピンを訪問した際にゴルフに触れる機会があったようで、ゴルフクラブを20セットほど台湾に持ち帰り、現在の青年公園の場所にあった軍または政府関係の土地を整備させプレーしたのが台湾におけるゴルフの始まりとのことでした(日本では神戸において外国人が1901年頃にコースを造って、プレーしたのが始まりのようです)。

 ちなみに、台湾でそのとき整備されたのは600メートル×120メートルのコースだったとそのボードには書いてありました。ボードには写真も示されており、例えば93年、当時の総統だった李登輝氏が、前年に退任したばかりのブッシュ元米大統領と一緒に台湾(淡水)ゴルフクラブでプレーしている写真もありましたよ~。台湾のゴルフの歴史に興味のある方は、青年公園のゴルフ練習場のそばにそのボードがありますので、練習のついでにでも見てみられるとよいと思います。

店のコンセントで充電は違法?

 ご存じの方もおられると思いますが、喫茶店などでコンセントを勝手に使って携帯電話のバッテリーを充電する行為は、場合によっては電気の窃盗罪に当たります。これは日本でも台湾でも同様なんです。

 日本の刑法において、「他人の財物を窃取した者は窃盗の罪とし、10年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する」とされています。電気が財物に当たるかという論点が出てくるところですが、窃盗罪や強盗罪については、「電気は財物とみなす」との明文規定が別途あります。

 台湾においても若干日本と表現が異なりますが、「電気エネルギー、熱エネルギーおよびその他のエネルギー」については、窃盗罪を検討する際に、窃盗罪の対象であるところの動産として論ずるものとされています。台湾においても他人の動産を窃取する者は窃盗罪となり、喫茶店などで店の所有者の意思に反して電気を自分や第三者のために使用する行為は犯罪に該当するんですね~。

 最近パソコンや携帯電話などを利用しながらくつろげる場を提供する喫茶店も増えており、座席のそばにコンセントが設置されているなら、いちいち許可を得なくても特に問題にならないのでしょうが、一応台湾でも日本でも犯罪として刑法に規定されており、実際に起訴されるようなケースもあることは知っておいていただければと思います。

事前に許可を得るのが無難

 ちなみに台湾における動産の窃盗罪の罰則は、特に加重されなければ5年以下の懲役や500台湾元以下の罰金とされています。日本と比べれば軽めの罰則になっています。ただし、台湾では一定の行為を伴う窃盗については、通常の窃盗罪より重い罰則が明記されています。例えば、住居に侵入して窃盗を行う場合、凶器を携帯して窃盗を行う場合、3人以上が集まって窃盗を行う場合、火災に乗じて窃盗を行う場合などです。台湾社会では火事場泥棒は通常の窃盗より悪い行為だと考えられているのでしょうね~。このような台湾の加重窃盗罪の罰則は、6月以上5年以下の懲役刑に加え10万元以下の罰金を併科することができるとされています。

 以上から、外出先で携帯電話の充電が切れそうで焦っていたとしても、「電気窃盗犯」にならないように、念のため店の人に確認してから充電したほうがよいということについて、ご理解いただけたかと思います。

佐田友浩樹弁護士

佐田友浩樹弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

京都大学法学部を卒業後、大手家電メーカーで8年間の勤務の後、08年に司法試験に合格。10年に黒田法律事務所に入所後、中国広東省広州市にて3年間以上、日系企業向けに日中英の3カ国語でリーガルサービスを提供。13年8月より台湾常駐、台湾で唯一中国語のできる弁護士資格(日本)保有者。趣味は月2回のゴルフ(ハンデ25)と台湾B級グルメの食べ歩き。