リーガル

記事番号:T00058411
2015年7月30日16:04

 皆さん、こんにちは。黒田日本外国法事務弁護士事務所の顧問の佐田友です。

 突然ですが、かき氷食べてますか?暑い日にいただくかき氷は最高ですよね~。最近、私はうまい黒糖かき氷屋さんを近所(といっても10分ぐらい歩いた所ですが)に発見し、妻とちょくちょく行ってます。緑豆やパイナップルなど4つのトッピング付きで確か50台湾元というお値段です。店の壁には一面、来店者の落書きがされており、お世辞にも小奇麗な雰囲気ではないですが、地元に根付いた昔からある「老店(老舗)」という感じです。私が日本にいるときには、かき氷のシロップはイチゴ、メロン、レモン、ブルーハワイ、抹茶などがよくあるパターンで、黒糖のかき氷に巡り合うことはなかったのですが、台湾で黒糖かき氷に出会い、すっかり大ファンになってます。まだ食べられていない方は、ぜひご賞味ください。マンゴーかき氷もよいですが、黒糖かき氷にも捨て難い魅力がありますので。

 最近、それほど大々的に報じられることはなくなりましたが、新北市のウオーターパーク、八仙水上楽園の事故で亡くなられる方が少しずつ増えています(7月29日時点で9人)。生命維持がやっとで回復の見込みが少ない状態になってしまったときに、家族が本人の苦しみを思って、延命を拒否しているんでしょうね。家族の方にとっても、非常につらい決断だと思います。

新北市委託の弁護士が仮差押申請

 その八仙楽園に関連して、私が少し「オヤッ」と思ったニュースがありました。士林地方法院に対して、八仙楽園などの3つの会社の資産、合計1億6,900万元の仮差し押さえが申請され、同法院が早々に認めたというもので、この部分自体は特に驚きでも何でもありません。驚いたのは、この申請を行ったのが、新北市政府が委託した弁護士団だったんですね~。つまり、八仙楽園の爆発事故で直接の被害を受けているわけではない新北市政府が、被害者に代わって、弁護士を探しているようなのです。

 他にも関連のニュースを見ると、新北市政府は一部の被害者に代わって、申請に必要な担保についても、暫定的ではあるようですが、「市政府の保証書」をもって代用し、裁判所もそれを認めていました。日本においては、このような民間の施設で起こった事故の損害賠償を確実に行うため(事故を起こし、賠償責任を負うべき会社が財産隠しを進める可能性あり)とはいえ、市政府が事故の被害者に代わり、弁護士を探したり、担保を提供するなんてことは聞いたことがないですね~。

八仙楽園以外にも

 しかし、台湾においては、被害者のために市政府が仮差し押さえに協力するということは重大な事故や事件などの際には時々あることのようです。今回の八仙楽園のケース以外にも、少し前の不正食用油事件や高雄市で起きた大規模爆発事故などにおいても同様の状況があったと聞きました。被害者にとっては、確かに非常にありがたい話ですよね~。事故などの被害に遭った人を社会全体で支えるという方向性、意識は誰もが認めるところで、日本でも、特別措置法(例えば東日本大震災関係のものなど)というような立法で手当てすることはありますが、台湾の市政府などが行う仮差し押さえ申請への協力にはびっくりしました。

 実際に、いつどこでどんな事故や事件が起きるか分かりませんので、運が悪ければ誰もが被害者になる可能性があります。そこで、市政府などの行政権力が主体的、機動的に被害者に協力するという姿勢は素晴らしいと感じました。 

佐田友浩樹弁護士

佐田友浩樹弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

京都大学法学部を卒業後、大手家電メーカーで8年間の勤務の後、08年に司法試験に合格。10年に黒田法律事務所に入所後、中国広東省広州市にて3年間以上、日系企業向けに日中英の3カ国語でリーガルサービスを提供。13年8月より台湾常駐、台湾で唯一中国語のできる弁護士資格(日本)保有者。趣味は月2回のゴルフ(ハンデ25)と台湾B級グルメの食べ歩き。