リーガル

記事番号:T00059804
2015年10月15日15:32

 皆さん、こんにちは。黒田日本外国法事務弁護士事務所の佐田友です。

 中秋節(旧暦8月15日、今年は9月27日)のお休みを利用して広島の実家に戻り、母親の古希のお祝いなどをしてきました。この時期の広島では、名産のマツタケが出回ります。うちの実家でも昔はたくさん採れたので、私が社会人になってそれほどたっていない1997年だか98年ごろには、職場におすそ分けで配って非常に喜ばれたこともありました。その後、親戚が亡くなったり、年をとったりして誰もマツタケを採りにいかなくなり、いなかのマツタケを食べる機会はなくなっていました。今回も全くマツタケのことなど意識せずに広島に戻ったのですが、親戚からマツタケの話を聞き、久しぶりに食べようということになり、少し奮発して広島産マツタケを買って食べたんですが、匂いも味もなかなかよかったですね~。今年は豊作らしく、値段もそこまで高くなかったです。そのほか帰省中に、生まれて初めてアケビを食べました。恥ずかしながら、名前を聞いたことがあるだけで、食べ物だとは知らなかったのですが、アケビも秋の恵みとのこと。ただ、こちらは残念ながら、まだ熟れていなかったのか、あまりおいしいものではなかったです。

貸金業者の法律がない?

 皆さんが、お金を借りようと思った場合、個人間の貸し借りを除けば銀行か貸金業を営む会社からお金を借りることになるでしょう。

 台湾においては、銀行について定めた法規は当然、存在するのですが、貸金業者について定めた法規は存在しないことが分かりました(日本では、いずれの法規も存在しています)。実は、台湾政府ももともと貸付業務を行う会社をライセンス事業として管理する意思があり、「融資会社法」という法規を制定しようとはしていたのですが、結局、現在まで同法は何年も立法化が完了していないと同僚から聞きました。

 そこで、私は台湾の会社法における「会社の資金の貸付」に関する規定を思い出しました。同法では、「会社の資金は以下の各号の事由がある場合を除き、株主またはいかなる他者にも貸し付けることはできない。1)会社間に、または商店、小規模業者との間に業務取引がある場合。2)会社間に、または商店、小規模業者との間に短期融資の必要がある場合。ただし、融資額は貸付企業の純資産の100分の40を超えてはならない」とされています。

 つまり、上記の例外的な場合を除き、会社の資金を他社に貸し付けることが原則的に禁じられているんですね~。もちろん、台湾においても会社、個人がお金を借りたい場合に、銀行以外の会社からお金を借りることは一般的に行われています。そこで、台湾における貸金業者はどういう論理で貸付を行えるのか気になり、調べてみました。

 すると、上述の「融資会社法」の草案について説明する文章中に「民間の融資業者(つまり、貸金業者)が顧客に対して融資を提供するのであれば、発票を発行する方式をもって、融資行為をして取引の外観を具備させなければならない」との記載がありました。つまり、貸金業者は商品を販売してもいないのに、商品を販売したものとして、取引の外観を作出する、具体的には、貸付を行う際に、発票を発行し、会社法の上記例外に該当するものとして処理をしているんですね。なかなか無理のある解釈がなされているようですが、実際に一般消費者および企業としてお金を借りたいという需要があるので、台湾政府としても貸金業者の貸付を容認せざるを得ないという事情があるのでしょうね~。

 次回は、貸金業法が台湾にないことのリスクについてご紹介したいと思います。 

佐田友浩樹弁護士

佐田友浩樹弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

京都大学法学部を卒業後、大手家電メーカーで8年間の勤務の後、08年に司法試験に合格。10年に黒田法律事務所に入所後、中国広東省広州市にて3年間以上、日系企業向けに日中英の3カ国語でリーガルサービスを提供。13年8月より台湾常駐、台湾で唯一中国語のできる弁護士資格(日本)保有者。趣味は月2回のゴルフ(ハンデ25)と台湾B級グルメの食べ歩き。