リーガル

記事番号:T00060339
2015年11月12日15:30

 皆さん、こんにちは。黒田日本外国法事務弁護士事務所の佐田友です。

 台湾で暮らしていると、いろんな方と知り合いになります。台北市日本工商会関係や県人会、大学の集まり、ゴルフコンペなどに参加しているからだと思いますが、非常にありがたい話です。知り合いになる方の年代も幅広く、70歳を超えた方と一緒にゴルフを楽しむこともあれば、87年会(1987年生まれの方の集まる会らしいです)に参加されるような若い方と飲み会でご一緒することもあります。そして最近、さらに若い方と交流する機会がありました。私の出身大学の後輩という縁で、交換留学で台湾大学に来られている大学4年生の方と食事をしました。私ともう一人脱サラ組の同窓生と2人で、台湾の話や仕事の話など短い時間でしたがお話することができました。

変更登記しないと罰則

 最近、台湾で簡易的な法務調査をする機会がありました。その会社では昨年、董事に変更があったにもかかわらず、現在に至るまで登記の変更申請をしないまま放置していることが分かりました。

 董事が誰であるかというのは登記事項であり、変更があれば会社所在地の県市政府(例えば会社が台北市にある場合、申請先は台北市政府)に対して申請しなければならないことが法定されており、罰則も存在します。皆さまの会社でも上記の会社と同様に、登記事項に変更がありながら変更申請をしていない可能性があると感じましたので、本日は、登記事項の変更があった場合に申請が必要とされる根拠規定などについて紹介してみたいと思います。

15日以内に変更申請を

 台湾の会社法において「会社の登記または認許事項およびその変更、その規則は中央主管機関が定める」と規定されており、この「中央主管機関」、つまり経済部により定められた規則が「会社登記および認許弁法」(中文では「公司之登記及認許弁法」)となります。当該法規において、会社の登記事項に変更があれば、変更後15日以内に主管機関に登記の変更申請をしなければならないことが明確に規定されています。

 それでは、どのような内容が登記事項に当たるでしょうか。これは手元に「股份有限公司変更登記表」があれば、それを見ていただければ早いのですが、この表に記載されている内容とご理解いただければよく、具体的には、▽会社名称▽会社所在地▽会社代表者▽董事▽監査役▽社印(大印、小印)──などが登記事項に当たります。

変更する度に申請が必要

 董事や監査役などは不定期とはいえ、どんな会社でもそれなりに変更はあるものです。ですので、このような変更があった場合は、その都度変更申請をしなければならないんですね~。

 変更申請を15日以内にしなかった場合、会社を代表する責任者に1万台湾元以上5万元以下の罰金に処せられるとされています。もちろん、現実には変更申請を行っていない会社もたくさんあるとみられますし、全ての会社が処罰されているわけではないでしょうが、政府当局が何らかの調査で会社に立ち入った際に発覚して罰金を課されるという可能性は十分にあると考えます。もし登記事項の変更申請をしていない場合や、これから変更があるという場合には、申請を速やかに、かつ確実に行うようにしていただければと思います。

 ちなみに、日本の会社法でも変更の登記について規定があり、変更登記は変更が生じてから2週間以内にしなければならないとされ、怠った場合には100万円以下の過料に処せられるとされています。ご参考まで。 

佐田友浩樹弁護士

佐田友浩樹弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

京都大学法学部を卒業後、大手家電メーカーで8年間の勤務の後、08年に司法試験に合格。10年に黒田法律事務所に入所後、中国広東省広州市にて3年間以上、日系企業向けに日中英の3カ国語でリーガルサービスを提供。13年8月より台湾常駐、台湾で唯一中国語のできる弁護士資格(日本)保有者。趣味は月2回のゴルフ(ハンデ25)と台湾B級グルメの食べ歩き。