リーガル

記事番号:T00061323
2016年1月7日15:41

 皆さん、こんにちは。黒田日本外国法事務弁護士事務所の佐田友です。

 少し、遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。旧年中は私のコラムにお付き合いいただきまして、ありがとうございました。2016年もよろしくお願いしますね~。今年の年末年始は、基本的に自宅で過ごしたのですが、年末に宜蘭県の礁渓温泉に行く機会がありました。礁渓温泉エリアは、私の予想よりひなびた感じはせず、高層の建物もたくさんありました(少し外れるとやはりひなびた感じでしたが)。

 今回の訪問は日帰りということで少し慌ただしく、また水着着用でしたので日本の温泉とは違ってはいましたが、それでも露天風呂に浸かることで温泉気分を味わうことができよかったです。特に印象的だったのは、たくさんの小さな魚が私の足にキスしてくれる足湯コーナーでした(笑)。キスというのは違いますかね、実際には、私の足の古い角質をついばんできれいにしてくれているそうですが、なんともこそばゆい愉快な体験でしたよ。

 いよいよ台湾の総統選挙、立法院の議員の選挙が近づいてきましたね~。報道を見たり聞いたりする限り、焦点は総統選の行方から、立法院の過半数の議席を民進党が握れるかどうかに移ってきているようです。台北市や金門県など国民党が強いとされている地域で民進党がどれだけ勢力を拡大できるか、注目されるところであります。

 上記の選挙活動は、私の身近なところでも既に始まっており、年末年始の期間中だけでも、①事務所近くの交差点で信号待ちしているときに候補者名の入ったカイロを受け取る②市場を散策しているときに候補者の写真と名前の入ったティッシュと掃除用の小さなスポンジを受け取る(この候補者さんとは握手までしちゃいましたよ!)③自転車で候補者ほか数人が投票を呼び掛けつつ移動しているのを目撃する──という、選挙活動遭遇体験がありました。

候補者個人の出演OK

 他にもテレビで政党のCMに加え、候補者個人への投票を呼び掛けるCMを見ることがあります。この点、日本の選挙の場合、政見放送以外への候補者本人の出演や、個人名を明示したテレビCMはできないので、「台湾は違うなぁ」と感じました。法的根拠を探したところ、公職人員選挙罷免法という法律に、「放送テレビ事業者は有償で政党や候補者の選挙運動の宣伝ができるが、公正、公平に対処しなければならない」とありました。

 つまり、テレビで自らを宣伝したいとする候補者について放送テレビ事業者が他の候補者と不公平に取り扱わないのであれば、候補者個人のCMも可能ということになります。この点、日本的な感覚からすれば、テレビで宣伝するのに必要な費用を準備できる「金満」候補者のみが認知度を上げ、他の「資金が潤沢でない」候補者を押しのけて当選してしまいかねないので、「一律に禁じる方がよいのではないか」というのが通常の反応のように思われます。

 この点について、同僚の台湾人に聞いてみました。すると、台湾ではテレビチャンネルがたくさん(100以上?)あり、視聴率は総じて非常に低く、費用対効果という点ではテレビCMという手段がよい手段と言いにくく、また、最近はインターネットを通じた宣伝の方がよく使われるようになっているなどの理由で、現状について「すぐに変更すべき」というような見解ではありませんでした。実際にも、台湾において個人候補者のテレビCMに関し議論となり、法改正が予定されているというようなことはないようです。

 ところ変われば、いろいろなことが変わってくるもんですよね。せっかく台湾におられるのですから、1月16日の投票日に向けて盛り上がるであろう選挙運動について日本との違いを感じてみるのも面白いかもしれませんね~。 

佐田友浩樹弁護士

佐田友浩樹弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

京都大学法学部を卒業後、大手家電メーカーで8年間の勤務の後、08年に司法試験に合格。10年に黒田法律事務所に入所後、中国広東省広州市にて3年間以上、日系企業向けに日中英の3カ国語でリーガルサービスを提供。13年8月より台湾常駐、台湾で唯一中国語のできる弁護士資格(日本)保有者。趣味は月2回のゴルフ(ハンデ25)と台湾B級グルメの食べ歩き。