リーガル

記事番号:T00064164
2016年5月16日16:03

 最近、性別工作平等法違反について、報道が相次いでいる。先月、A社がフェイスブックで「女性清掃員募集」という記事を掲載したところ、高雄市労働局により性差別であると認定され、性別工作平等法(日本の男女雇用機会均等法に相当)違反を理由に30万台湾元の罰金が科されたことが報道された。また、高雄市労働局により、生理休暇を取った従業員に対して皆勤賞与を与えなかったB社、妊娠休養休暇を取った従業員に対して年末賞与を与えなかったC社が、それぞれ性別工作平等法違反と認定され、2万元の罰金が科されたことが報道された。

罰金上限150万元に引き上げ

 性別工作平等法第7条は、「雇用主は求職者または被用者の募集、選抜、採用、分配、配置、考課または昇進等について、性別または性的指向により差別的な扱いをしてはならない。ただし、業務の性質が特定の性別の者にのみ適している場合は、この限りでない」と規定している。また、2014年12月11日の改正で罰則が強化され、同法第38条の1によれば、第7条に違反した場合の罰金は、従来の10万元以上50万元以下から、30万元以上150万元以下とされている。

求人・休暇請求の際は慎重に

 A社については、フェイスブックでの清掃員募集において、満18歳以上の女性限定という条件が記載されたが、高雄市労働局により当該の仕事の内容は女性のみに適しているとはいえないと認定され、同法第7条への違反を理由に、同法第38条の1に基づき30万元の罰金が科された。

 次に、B社とC社について、性別工作平等法第21条によれば、被用者が同法第14条の生理休暇や第15条の妊娠休養休暇を請求する場合、雇用主は拒否してはならず、かつ皆勤賞与や考課において欠勤と見なしたり、またはその他不利な処分を行ってはならないと規定されているが、高雄市労働局は、従業員が生理休暇や妊娠休養休暇を請求した際に、雇用主が皆勤賞与や年末賞与を与えなかったことは違法であると認定し、同法第21条に違反したことを理由に、同法第38条に基づき2万元の罰金を科した。

 性別工作平等法違反による罰則を受けないよう、求人の際および労働者から休暇取得の請求を受けた際には、性別工作平等法に違反しないよう特に慎重に対応する必要がある。

*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は弊事務所にご相談下さい。

尾上由紀弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

早稲田大学法学部卒業。 2007年黒田法律事務所に入所後、企業買収、資本・業務提携に関する業務、海外取引に関する業務、労務等の一般企業法務を中心として、幅広い案件を手掛ける。主な取扱案件には、海外メーカーによる日本メーカーの買収案件、日本の情報通信会社による海外の情報通信会社への投資案件、国内企業の買収案件等がある。台湾案件についても多くの実務経験を持ち、日本企業と台湾企業間の買収、資本・業務提携等の案件で、日本企業のアドバイザー、代理人として携わった。クライアントへ最良のサービスを提供するため、これらの業務だけでなく他の分野の業務にも積極的に取り組むべく、日々研鑽を積んでいる。