リーガル

記事番号:T00083235
2019年4月29日15:41

 「通信販売」は、台湾法上では「通信取引(通訊交易)」といい、関連する規定は以下の通りです。

 消費者保護法第2条第1項第10号では、「通信取引とは、企業経営者がラジオ、テレビ、電話、ファクス、カタログ、新聞、雑誌、インターネット、宣伝ビラまたはその他の類似する方法により、消費者が商品またはサービスを目視で検査できない状況で、企業経営者と締結する契約をいう」と規定されています。

 また、同法第19条第1項では、「通信取引または訪問取引の消費者は、商品を受領またはサービスを受けた後7日以内に、理由を説明することなく、かつ、いかなる費用または対価も負担することなく、商品の返品または書面通知の方式により契約を解除することができる。ただし、通信取引に合理的な例外事情がある場合は、この限りではない」と規定されています。さらに第2項では、「前項のただし書きの合理的な例外事情については、行政院がこれを定める」と規定されています。

7種類の合理的例外

 この「合理的な例外事情」については、行政院が公布した「通信取引解除権の合理的な例外事情適用準則」第2条で、「消費者保護法第19条第1項のただし書きに示される合理的な例外事情とは、通信取引の商品またはサービスについて以下のいずれかの事由があり、かつ企業経営者から消費者へ告知された場合に、消費者保護法第19条第1項の解除権の適用から除外されるものを指す。

1.腐敗しやすく、保存期間が比較的短く、または契約解除時から程なく期限が過ぎるもの

2.消費者の要求により行ったカスタマイズ的な給付

3.新聞、定期刊行物または雑誌

4.消費者によって開封された動画・音声商品またはコンピューターソフトウエア

5.有形媒体によらずに提供されたデジタルコンテンツ、または提供と同時に完了するオンラインサービスであり、消費者の事前の同意により初めて提供されたもの

6.開封済みの個人衛生用品

7.国際航空旅客運輸サービス」

と規定されています。

 言い換えると、上記の7種類の状況における通信販売では、消費者は商品を受領またはサービスを受けてから7日以内でも任意に契約を解除することができません。

 通信販売の返品問題は、実務上よく生じる消費者紛争です。紛争の発生を避けるため、通信販売業者は上記の規定をしっかりと把握しなければなりません。

*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は弊事務所にご相談下さい。

蘇逸修弁護士

蘇逸修弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

台湾大学法律学科、同大学院修士課程法律学科を卒業後、法務部調査局に入局。板橋地方検察署で、検事として犯罪調査課、法廷訴訟課、刑事執行課などの業務を歴任。2011年より黒田法律事務所にて弁護士として活躍中。