リーガル

記事番号:T00085395
2019年8月26日16:10

 売買契約等で金銭の支払期限を定めたにもかかわらず、債務者が契約で定められた支払期限になっても金銭を支払ってくれない事態が発生することがあります。このような場合、債権者は、契約で定めていなかったとしても、法定利率である年利5%の遅延利息を請求することができます(民法第233条第1項本文、第203条)。

 また、契約当事者が年利5%を超える利率を約定している場合には、当該約定利率の遅延利息を請求できます(民法第233条第1項ただし書き)。もっとも、約定利率は無制限に認められるわけではなく、約定利率が年利20%を超える場合、債権者は20%を超える利息を請求することはできないとされています(民法第205条)。

違約金と遅延利息

 契約の債務不履行に対する違約金には、債務の履行の強制を目的とする「懲罰的違約金」と、損害賠償額の予定により債権者の損害補塡(ほてん)を容易にすることを目的とする「損害賠償的違約金」があり、契約において単に「違約金」とだけ記載している場合には、「損害賠償的違約金」と見なされます(民法第250条第2項前段)。

 そして、最高法院民事判決(99年度台上字第2174号)によると、違約金が「懲罰的違約金」に当たる場合、債務者が債務不履行になると、債権者は違約金請求の他、民法第233条の規定に基づき、遅延利息の給付およびその他の損害賠償を請求できますが、「損害賠償的違約金」の場合には、別途、遅延利息および損害賠償を請求することはできません。

 以上のように、違約金が「懲罰的違約金」の性質を有する場合には、債務者が債務不履行になると、債権者は違約金とは別に遅延利息も請求することができます。

 ただし、約定違約金が過度に高額である場合、裁判所は、違約金を相当の金額に減額することができる(民法第252条)とされており、実際に、違約金と遅延利息の合計が、法定利率の上限である年利20%を超える場合に、裁判所が違約金を減額した事例(台北地方法院民事判決95年度訴字第9135号など)もありますので、違約金および遅延利息を設定する際にはご注意ください。

*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は弊事務所にご相談下さい。

福田優二弁護士

福田優二弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

大学時代に旅行で訪れて以来、台湾に興味を持ち、台湾に関連する仕事を希望するに至る。 司法修習修了後、高雄市にて短期語学留学。2017年5月より台湾に駐在。 クライアントに最良のリーガルサービスを提供するため、台湾法および台湾ビジネスに熟練すべく日々研鑽を積んでいる。