在台日系企業の賞与支給状況


ニュース その他分野 2018年12月28日

2018年 在台日系企業賞与動向

在台日系企業の賞与支給状況

記事番号:T00081272

 いよいよあすから年末年始の4連休ですね。その後には、春節(旧正月)の9連休(2月2~10日)も待っていますので、仕事が手に付かない人もいるのではないでしょうか。

 台湾では、ほとんどの企業が春節前に年末賞与(年終奨金)を支給します。求職求人情報サイト大手、104人力銀行を運営する104資訊科技の調査によると、今年は台湾企業の93%が年末賞与を支給すると回答し、平均支給月数は1.11カ月で前年より0.1カ月増加しました。また、飲食業界では企業の18%が年末賞与を支給しない予定です。一例一休(週休2日制)など労働基準法(労基法)改正による人件費増加、売上高減少を理由に挙げています。一方、支給月額が多い業種は、▽金融業、1.83カ月▽半導体業、1.5カ月▽石油・化学業、1.33カ月──などでした。

年間総賞与、前年より増加

 ワイズリサーチは2008年より11年連続で、在台日系企業向けに賞与アンケートを実施しています。今年は在台日系企業213社にご協力をいただきました。

 調査結果を見てみると、在台日系企業の今年の年末賞与は平均2.00カ月で、前年の2.01カ月から0.01カ月減。年間総賞与は平均3.08カ月で、前年の2.97カ月から0.11カ月増となりました(図1)。

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 賞与の支給は前年より多くなる傾向です。では、在台日系企業の賞与支給は業績に影響されているのでしょうか?また、米中貿易摩擦の影響はあるのでしょうか?

 調査結果によると、賞与の決定基準は▽1位、「台湾拠点の税引き前利益」▽2位、「従業員のパフォーマンス」▽3位、「会社の規程」──でした。

 さらに在台日系企業の業績状況について伺った結果、18年の税引き前利益予測は▽増益、41%(前年比横ばい)▽横ばい、39%(3ポイント上昇)▽減益、20%(6ポイント低下)──でした。

 米中貿易摩擦の影響については、在台日系企業の59%が特に影響はないと回答しました。

業界別、総合商社がトップ

 業界別ではどうでしょうか。今年上半期、世界的な好景気と国際原油価格、原材料価格の上昇によって、台湾の輸出入総額と輸出受注総額は成長しました。これらの影響を受け、総合商社の年末賞与の支給月数は平均2.35カ月、年間総賞与では3.96カ月となりました。しかし前年の総合商社の年末賞与は平均2.48カ月、年間総賞与は3.99カ月だったため、いずれも減少しています。

 次に支給月数が高かったのは「化学業界」です。国際原油価格が上昇したことを受けて多数の製品が値上がりしたため、原材料関連企業の業績が伸びました。しかし川上の石化原材料価格が下落し始めていることに加え、米中貿易戦争の激化を受けて、メーカー各社は材料の調達を見合わせるようになりました。そのため、年末賞与の支給月数は平均2.24カ月で、前年の2.37カ月から0.13カ月減。年間総賞与は平均3.95カ月で、前年の4.05カ月から0.1カ月減少しました。

固定賞与と変動賞与

 業績にかかわらず必ず支給する固定賞与については、13年は在台日系企業の73%が支給したと回答していましたが、その5年後の18年は57%まで低下しました。また13年には固定賞与のみ支給する在台日系企業が44%でしたが、今年は32%まで低下しました。

 一方、企業の業績と連動する変動賞与を支給する企業は、13年の56%から18年には67%まで上昇しました。また変動賞与のみ支給する企業は13年の27%から18年には42%まで上昇しました(図2)。

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 在台日系企業の賞与支給の構成が大きく変化しています。従業員に賞与はもらえて当然と誤解させないよう、業績連動型の賞与体系と、それを評価と連携して透明かつ合理的に分配する制度が不可欠です。


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【在台日系企業の賞与支給水準と過去比較】
・業態別、業界別、業種別、エリア別 
・階層別の賞与支給額(業態別、業界別)
・賞与支給の決定要因、支給時期など

段婉婷

段婉婷

コンサルタント

中国文化大学日本語学科卒業。2009年・日本へ一年間の交換留学。2010年にワイズコンサルティンググループに入社。ISMSプロジェクトの経験を経て、現在はリサーチ部門に所属。