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味覚には個人差があります。
市場(マーケット)も同じで各社、「美味しい市場」は異なります。
経営資源の少ない小規模企業にとって「自社にとって何が美味しいマーケットなのか」を把握せずに努力することは、報われるかどうかもわからずに努力しているので博打に近い行為です。
そこで今回はこの美味しいマーケットをどう見つけるかをテーマに3つの作戦をご紹介します。
●作戦1:大手の参入できない市場を狙え
美味しい市場を見つける上で、一番効果的なのは「大手が参入できない市場」を見つけることです。
これは私自身が大手企業のコンサルティングをやっていて、いつも痛感していることです。
例えば大手企業が「新規事業開発」のプロジェクトをやっているとしましょう。
プロジェクトが進むにつれて「この程度の利益しか出ないのなら参入する意味は無い」というビジネスがたくさん出てきます。
多くは「市場規模が小さ過ぎる」「手間が掛かり過ぎる」「本業との相乗効果が無い」「違法ではないが…」等々。
利益率は高くても大手にとっては、「そこまでして参入する意味が無い」ビジネスばかりなのです。
しかし、これらのビジネスは大手企業にとってはおいしくなかったとしても、同業の小規模企業にとってはとても美味しい市場です。
このような市場を見つけ、経営資源を集中することこそ小規模企業が成長できるチャンスなのです。
● 作戦2:一番になれる市場を狙え
専門的に言うと有名な「マーケットのセグメンテーション」で、要は「自社がNo.1になれそうになるまで市場を分割してゆく」ことです。
起業したての私自身を例にとると、「世界No.1のコンサルティングファーム」になるのは夢のようなお話しでした。
「アジアNo.1」も「台湾No.1」も、豊富な経営資源を持った既存企業が存在するので簡単ではありませんでした。
「在台日系企業に対してNo.1はどうか」、「在台日系企業の人事労務課題に対してNo.1はどうか」と市場を分割していくことで、「No.1になれそうな市場」を見つけていくのです。
ちなみに現在のわが社は「在台日系企業の人事労務課題」については既に実績No.1となりましたので、次のステップである「在台日系企業についてのコンサルティング全般でNo.1」になることを目標にしています。
●作戦3:相乗効果を狙え
弊社で発行している「Y’s News」もそうですが、「他社では美味しいしくなくとも、自社には相乗効果があるので美味しい市場」が必ず存在します。
例えば、台湾における「日本語ニュース配信事業」は、元来小さな市場規模で、年々市場規模が小さくなっています。
これでは誰も見向きもしないかも知れませんが、コンサルティング事業を持つわが社にとっては、
1.顧客が同じで両事業に相乗効果がある
2.自社独自のデーターベースが構築できる
3.人材やオフィス、備品などが共有できる
4.内緒… (;^^A
と、多くの相乗効果がありますので、「とっても美味しい市場(ビジネス)」になるのです。
●小規模企業成長の原則④
「自社にとっての美味しい市場はどこかを見つける」
ワイズコンサルティング 吉本康志