記事番号:T00000089
台湾駐在となり、3ヶ月を過ぎた頃には台湾の事情がほんの少しだけ把握できてきます。
ほんの少しだけなのですが、過去の経験と照らし合わせて、ほぼ把握できた気がするものです。
そうすると、今までは新鮮に感じていた台湾に対する欠点が色々と目に付いてきます。
そのうちストレスが溜まり「台湾は~」「台湾人は~」と批判を始めます。
私はこのような症状を「嫌台期」(倦怠期ではない)と呼んでいます。
海外経験の少ない日本人の駐在員には「嫌台期」がやってくる方が多いのですが、経営者の場合嫌台期が長引くと経営に大きな影響を及ぼします。
●事例
台湾市場のシェアアップの為に總経理として赴任してきた松本氏は、日本では営業所長として強気のリーダーシップにより営業部隊を率いて業績を上げてきた。
台湾赴任に慣れてくると松本總経理にも例に漏れず「嫌台期」がやってきた。
社内外を問わず日本人同士になると「台湾は~」「台湾人は~」と批判を始めるのである。
それが最近では台湾幹部にも目の前で「おまえら台湾人は~」と直接批判するようになってきた。
症状が余りにもひどいので、最近は会社の士気は著しく低下し、組織も思うようにならない泥沼状態になっている。
本社から報告を求められても「こんな国では何をやっても無駄ですよ」と開き直っている。
今日も林森北路(台北にある日本人向け繁華街)のどこかで、松本節が冴えまくっている……。
●解説
台湾で多くの駐在員の方とお会いしてきましたが、嫌台期を乗り越えられなくて潰れていった人はけっこういらっしゃいます。
インドや中国の内陸部等から台湾に駐在になった人からは「台湾なんて日本と変わらない」とお叱りを受けそうですが、これだけ住みやすくなったにもかかわらず、嫌台期にはまっている人はまだ多く存在しているのです。
嫌台期の傾向としては、頑固な人や真面目な人は長引き、外向的な人は比較的短くて済む傾向があるようです。
経営面から見ると嫌台期を乗り越えない限り、まともな経営が出来る状態にはなりません。
なぜならば、嫌台期の状態では上手くゆかない事は全て台湾のせいになってしまうからです。
では、どうしたら早期に嫌台期から脱出することが出来るのでしょう。
アドバイスとしては以下の二つが効果的です。
1. 台湾での楽しみを見つける。
2. 台湾の良いところに目を向ける。
筆者は仕事柄心理学も研究していますが、嫌台期の期間は交流分析における「自暴自棄」の象限に入っている。
この象限から抜け出すには、「相手(台湾)を受け入れる」事が不可欠です。
いつも文句ばかり言っていると自己暗示にかかり、嫌台期の症状は益々悪化しますので、気をつけましょう。
ワイズコンサルティング 吉本康志
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